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「むすぴ」誌でおなじみの坂田裕輔教授の講義が行われました

7月21日、海の日。指導員を目指す人たちを対象にした研修科で、近畿大学産業理工学部経営ビジネス学科教授坂田裕輔先生の講義が行われました。 坂田先生は「むすび」誌に隔月連載で「虫のいる森 ~生命を守る経済学研究室から~」を執筆していただいています。   坂田先生は、現在、熊本に住まれていますが、大阪在住時に、正食クッキングスクールに通われて師範科を卒業されています。大阪の十三にある参加型オーガニックカフェ×コミュニティスペース「カフェスロー」と関わり、体験ワークショップや環境トークライブなどの活動をされていました。   今回のお話のテーマは「森が守られる仕組みをつくる」です。 「食と森。食べものというのは、塩以外はすべて命あるものをいただくということなんですけど、森というのはいのちの源なんです。落ち葉が分解されて、養分になって、森が豊かになるんですけど、雨で養分が流れて行きます。流れた先にあるのが海。そこの海が豊かになることで、牡蠣が育つ。小魚が育ち、それを食べる魚が育つという循環を繰り返すわけです。まさしく「森は海の恋人」ですね。「エジプトはナイルの賜物」という言葉もあります。毎年大水があって、上流から黒土を運んでくれて農作物ができる。森と食は強く関わりがあるものなのです」   「昔は、森と生活は深く関わっていて、ないと困るものでした。江戸時代の村八分で一番しんどいのは何かというと、村の共有林とか共有の場所に入れなくすることだったんです。それは、共同の水が使えないと畑ができない。共有林に入れないと燃料の確保ができない。食事の煮炊きができなくなり、やがて村にいられなくなってしまう。村で暮らす人たちの、命を支えてくれるものが森だったんです」   森がはたしてきたさまざまな役割、森の現状、森林保護の問題、森が守られない原因、多面的機能をお金に換える、森を守るためにできることについて、プロジェクターを使った講義が行われました。 講義終了後、質疑応答の時間に、開けた窓から雀の子どもが迷い込んできました。なんとかつかまえることができて、心配そうに見守る親のいるところに、逃がすことができるというハプニングがありました。「ここも森になりましたね」と坂田先生が締めくくると、会場は笑いに包まれました。 (Terry)
  • 2014年08月01日 18時18分更新
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