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【免疫力UP情報】香害と身近な化学物質⑤

【免疫力UP情報】
過去のむすび誌や正食出版発行書籍から抜粋してご紹介致します。
第28弾は「むすび誌2019年12月号」より香害と身近な化学物質の記事をご紹介します。(全6回)。
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アレルギーから学ぶ
人類を健康に導く先駆者
 現在は成人した角田さんの5人の子どもたちは、すべてアレルギーの症状がありました。とくに次女は幼い頃、短時間に全身が激しい症状に襲われるアナフィラキシーを何度か発症し、危険な状態に陥ったことが著書に書かれています。
 医師としてもアナフィラキシー患者に何百人も接するなど、30年間にわたりアレルギー疾患にかかわってきた角田さんは、自らもアレルギー体質です。
 たくさんのアレルギー患者を診てきた経験から、「アレルギー自体は自分のからだを守るための仕組みで、病気ではないんじゃないかということをだんだん感じてきました」と話します。
 さらに「アレルギーの人たちは、かわいそうな人たちではなく、非常に敏感で、センサーの役割をもち、人類の健康を引っ張る先駆者」と積極的に評価しています。
 どういうことなのでしょうか。

新たな免疫で異物から守る
 小池さんの話にあったように、人体にはさまざまな生体防御機構があります。アレルギー反応も生体防御反応の一つです。
 このアレルギー反応は、高等生物である哺乳類だけが進化の過程で獲得した「最高級の免疫」と角田さんは話します。
 例えば、生命維持になくてはならない酸素は、もともとは反応性が高い猛毒です。しかし動物たちは、生体防御を発達させて酸素の毒性(活性酸素)を利用する仕組みをからだの中につくり、さらに植物を食べることで植物のもつ抗酸化物質を上手に利用しています。「だから野菜を食べない人は毒物に弱い」と角田さん。
 また、魚類や爬虫類、両生類などの下等動物は、環境中の毒物に対して弱いため、体外にたくさんの卵を産んでその中のいくつかでも生き残ればいいという戦略をとってきました。
 それに対し人間を含む高等生物は、体内で卵をかえし、十分に大きくなってから産みます。ということは、半分は父親の遺伝子もち、母親にとっては遺伝子の異なる「異物」である子どもをおなかの中に一定期間入れておかないといけないことになります。
 単に処理できない異物を排除するだけの下等動物の「原始的な免疫」(細胞性免疫)では、胎児は流産させられますが、流産しないよう、細胞性免疫を抑制して「新たな免疫」を発達させて、自らのからだを異物から守る仕組みを獲得しました。
 その「新たな免疫」が、IgE(免疫グロブリン)を介した免疫、つまりアレルギー反応なのです。

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  • 2023年08月03日 12時37分更新
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