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【免疫力UP情報】食で未病を治す断食療法の再評価①

【免疫力UP情報】
昨今、世間を騒がす新型コロナウイルス。
こちらのコーナーではコロナに負けない身体づくりのための情報を、
過去のむすび誌や正食出版発行書籍から抜粋してご紹介致します。
第21弾は「むすび誌2017年4月号」特集「医と食 健康フォーラム」より渡邊昌氏の講演をご紹介します。(全3回)。
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53歳で糖尿病と診断されて 食を改善し運動に努めて克服
 渡邊氏はまず、食生活の改善と運動で糖尿病を克服した体験から話しました。
 1941年生まれの渡邊氏が、糖尿病と診断されたのは53歳のとき。いまから二二年ほど前のことです。
 当時、国立がんセンターの疫学部長だった渡邊氏は、ステーキをよく口にして、体重が78キロもありました。ところが、あるとき5キロも体重が落ちたことから、すい臓がんを疑いました。
 診断の結果は、すい臓がんではなく糖尿病。空腹時血糖値が血液100ミリリットルあたり260ミリグラムと高く、同僚の医師には「すぐに入院して、インスリン療法やらないとダメだ」と宣告されました。
 そこで、「食と運動でどれだけ治療できるかやってみたい」と、毎日、地下鉄の二駅分の距離を歩くようにし、食事を規則正しく摂るようにしました。
 献立も見直し、一日の摂取量が1600キロカロリーに収まるよう、和食中心に改めました。
 「そうしたら、一年ほどで全検査値が元に戻りました。血糖値が100前後になったし、高血圧も脂肪肝も治りました」
 糖尿病を克服した体験をつづった著書「糖尿病は薬なしで治せる」(角川書店)は、三五版も重ねるロングセラーとなっています。

40兆円を突破した国民医療費 潜在患者は1億6千万人?
 糖尿病を食と運動で克服した渡邊氏が、一人の医師として挑戦しているのが、医療費の削減です。
 国民医療費は平成25年度に40兆円を突破し、さらに増え続けています。
 「実は介護保険とか、福祉予算の医療費も合わせると、5060兆円という額になってしまいます。これをなんとかしないことには、日本は成り立ちません」と、危機感をあらわにしました。
 厚労省が昨年、発表したところによると、症状はあっても病気と診断されていない潜在患者の数は、高血圧症で4300万人、脂質異常症で4220万人、糖尿病で1870万人、不眠症で2100万人、ほか骨粗しょう症や喘息、うつ、認知症を合わせると計1億6千万人と、日本の人口を軽く上回ります。
 「つまり、国民全員が一つ以上の病気をもっていることになります」
 多くの人が健康でいられるなら、医療費は大幅に削減できます。そこで渡邊氏が注目するのが「未病」への対応です。

検査値異常か症状有りは未病 早期治療は本当の病気にする
 検査値に異常がなく、症状もない場合を「健康」とし、検査値に異常が見られ、症状もある場合を「病気」とします。
 未病は、健康と病気の間です。「検査値は異常だが症状がない」か「検査値には異常が認められないが症状はある」という、検査値異常と症状のいずれかがある場合と考えれば、わかりやすくなります=図①左を参照。
 渡邊氏はそうした区分を示したあとで、未病のアプローチの仕方について説明しました。
 「現在の西洋医学的な考えだと、未病の人は全部、一定期間たつと病気になるということで、未病のときから治療を始めてしまいます。ちょっと血圧が高いと降圧剤を使う。ちょっと睡眠不足だとか、軽いうつ状態だというと、すぐ精神病的な薬が出されます。そういう薬を使うと、病気が定着して、本当の病気になってしまいます」
 早期発見・治療という西洋的な予防医学がもてはやされていますが、未病を本当の病気にしてしまうことがある、と渡邊氏は訴えました=図①中を参照。

食・こころ・からだを基軸に 健康に引き戻す 「治未病」を
 渡邊氏が提唱するのは、未病を病気にするのではなく、健康に引き戻す「治未病」です=図①右を参照。その治未病は、「食・こころ・からだ」を基軸にスピリチュアル・ライフを達成するという統合医療にのっとったやり方で、健康を目ざそうというものです。
 スピリチュアル・ライフとは、著書「『食』で医療費は10兆円減らせる」(日本政策研究センター)によると、「宗教ではなく、古今東西人類が追求してきた全人的な生き方」であり、「人間らしく生きること、さらに我執を超えて他のために尽くすという生き方」のことです。
 「医療にかかる前に、健康に戻すことを一〜二年、頑張ってみる方がいいんじゃないかという発想です」
 渡邊氏によると、中国には「治未病中心」というセンターが六か所ぐらいあり、食事療法や運動療法、温泉療法、自然療法などを取りまぜて成果を上げているそうです。


図①


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渡邊昌(わたなべ・しょう)
1941年、平壌生まれ。医学博士。慶應義塾大学医学部卒。同大学院病理学専攻、アメリカ国立癌研究所、国立がんセンター病理部を経て、同疫学部長。その後、東京農業大学教授、国立健康・栄養研究所理事長を歴任し、現在は、公益社団法人生命科学振興会理事長として専門誌「ライフサイエンス」「医と食」を主宰。一般社団法人統合医療学院学院長、NPO法人日本綜合医学会会長も務める。これまでに厚生科学審議会、内閣府食育推進評価専門委員会座長など政府の各種審議会委員を歴任。
  • 2021年08月26日 12時31分更新
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