ブログ「マクロなポケット」Blog

【免疫力UP情報】食の選択力を身につける「デンシエット」②

【免疫力UP情報】
昨今、世間を騒がす新型コロナウイルス。
こちらのコーナーではコロナに負けない身体づくりのための情報を、
過去のむすび誌や正食出版発行書籍から抜粋してご紹介致します。
第14弾は「むすび誌2016年12月号」特集より奥村仙示氏へのインタビューです(全4回)。
-----------------------------------------------------------------------------------
1グラム当たりのカロリーを「カロリー密度」として比較

―そこで「カロリー密度」というのがキーワードになるわけですが、そのカロリー密度について教えて下さい。

 食品1グラムあたりのカロリーのことです。
 カロリー密度は、野菜や果物、スープなど、水分が多いと低く、バターや洋菓子など脂質が多いと高くなります。
 同じ1グラムの食品を食べても、脂肪だと9キロカロリー、アルコールは7キロカロリー、炭水化物とたんぱく質はそれぞれ4キロカロリー、繊維は2キロカロリー、水は0キロカロリーです。
 低カロリー密度の食事なら、少ないカロリーでも、高カロリー密度の食事に比べて、同じ分量でも満腹感があるということになります。
 そこで、生活習慣病改善のために減量や体重維持をしようとするとき、満腹度や満足度が高い食べ方が大事なので、カロリー密度を意識してもらうことが重要になるわけです。細かい数字にとらわれる必要はありませんが、食事の上手な選択を行うきっかけになればいいなと願っています。

マヨネーズを多くつけると野菜はカロリーが高くなる

―カロリー密度に注目した研究は、これまでにもあったのでしょうか。

 一般の方にもわかるように「カロリー密度(カロリー・デンシティ=CD)」という言葉を使っていますが、学術的には「エネルギー密度(エナジー・デンシティ=ED)」と呼ばれています。意味はまったくいっしょです。
 世界では、アメリカのペンシルベニア州立大学のバーバラ先生という方が、以前からエネルギー密度を下げる食事を提唱されています。
 例えば、野菜スティックを、マヨネーズがたくさん入ったディップをつけて食べるのと、マヨネーズが少ないディップをつけて食べるのを比較すると、同じカロリーなら、マヨネーズがたくさん入ったディップをつける野菜は、量を食べられないということを、洋食で提唱されています。
 日本食でも一品一品の対応は同じようにできますが、私は、ご飯をしっかり食べるということを踏まえて、おかずとセットのメニューにした場合にどうしたらいいのかというところに注目して、検討してみました。

味の塩焼きとフライではカロリー密度に4倍もの差

―「低カロリー満腹食」の著書の前半では、同じ材料を使った単品でも、カロリー密度の低いメニューと高いメニューが写真付きで紹介されています。
 例えば、アジを丸ごと使った塩焼きと、タルタルソースを添えたアジフライでは、塩焼きが81キロカロリーでカロリー密度(キロカロリー/グラム)が0・82だったのに、タルタルソース付きのアジフライでは四倍の312キロカロリーもあり、カロリー密度は2・19でした。
 これを見れば、同じカロリーにするなら、アジフライよりは塩焼きを選んだ方が、量がたくさん食べられるので、カロリーは低くてもより満腹感が得られることがひと目でわかります。


 本の前半では単品メニューを取り上げています。
 その理由は、読者として、料理が得意ではなく、買い物にもあまり行かないような、メタボが気になる男性が、本の写真を見るだけで、食品を上手に選択する力をつけていただきたいと思ったからです。

【免疫力UP情報】食の選択力を身につける「デンシエット」③へ

-----------------------------------------------------------------------------------
奥村仙示(おくむら・ひさみ)
管理栄養士。博士(栄養学)。大阪府摂津市生まれ。大阪府立茨木高校卒業。徳島大学大学院栄養学研究科博士前期課程修了。
研究テーマは、「何を、どのくらい、どのように食べれば、なぜ良いのか?」という食卓の疑問に答えるために、カロリー密度(CD)に注目した満腹度・満足度の高い食事、肝疾患の栄養療法、メタボローム解析を用いた食事の評価に従事している。
趣味は、国内外で、現地の食べものを食べ、食器を見ること。著書は「デンシエット ごはんを入れても500kcal カロリー密度[CD]に注目した 低カロリー満腹食」(講談社)。
  • 2020年11月19日 17時37分更新
  • ブログカテゴリー: