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【免疫力UP情報】玄米和食の給食で成果

【免疫力UP情報】
昨今、世間を騒がす新型コロナウイルス。
こちらのコーナーではコロナに負けない身体づくりのための情報を、
過去のむすび誌や正食出版発行書籍から抜粋してご紹介致します。
第12弾は「むすび誌2019年9月号」特集「食から考える健康と長寿」より松井直輝氏の講演リポートです。
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玄米和食の給食で成果

松井直輝・学校法人泉新学園理事長
晴美台幼稚園(大阪府堺市)とみついしこども園(和歌山県橋本市)の理事長と園長、輝きの森学園(同)の理事長を務める松井さんは、知育・徳育・体育を基本に、子どもたちの教育にあたってきました。そのうちに食の大切さに気づき、3園で玄米和食の給食を導入、大きな手応えを感じています。

高取保育園の園児に衝撃

30年近く園長として子どもたちを見守ってきた松井さんは、徳育としてあいさつや返事、履き物をそろえるなどの態度教育の普及・指導で全国の園を訪れる中で、現場の職員らから「育てにくい子が増えてきた」という声を聞くようになりました。
 それは発達障害の傾向やアレルギーなどのある子どもたちでしたが、原因についてはよくわかりませんでした。
 一方、妻が20年くらい前に重い難病にかかっていて、いろいろ試行錯誤した結果、「最終的に行きついたのが食でした」。
 そこで、玄米和食の給食で全国的に有名な福岡市の高取保育園に視察に行き、「子どもがものすごく落ち着いている」ことに衝撃を受けました。

固い決意が奇跡を呼ぶ

 徳育の一環として、姿勢を正す「立腰」をしつけて、自園の園児の落ち着いた姿に自信のあ
った松井さんでしたが、高取保育園の子どもたちは「落ち着いている種類が違う」と感心しました。
 その差が食と運動にあると理解した松井さんは、当時の西福江園長に勧められて、正食クッキングスクールに通い始め、師範科まで修了。「子どもたちに絶対、玄米和食を提供したい」と決意を固めました。
 それまで外部業者によるごく一般的な給食から、自園調理による玄米和食に一八〇度転換すること
になり、施設の改修や玄米和食に理解のあるスタッフの確保など、「始めるまでは大変でした」と松井さんは苦労を振り返りました。
 給食会社のスタッフを園に迎え入れ、正食クッキングスクールに通ってもらうなど、試行錯誤しながらも着実に進めることができました。
 「絶対いいと思って玄米和食をやったら、奇跡が起こりました」
 そうした努力の末、最初に導
入した輝きの森学園では201
3年4月から、晴美台幼稚園は2016年1月、みついしこども園は同年2月から、それぞれ玄米和食の給食がスタートしました。
 3園を合わせると、現在、園児647人と職員177人が、玄米和食の給食を食べています。

カルシウムは小魚で対応

 玄米和食の導入にあたり、松井さんは次のような方針を定めました。
 ① まずはからだに良く、正食の基本に則ったものであること
 ② おいしいこと
 ③ 大量調理に適応していること
 ④ コスト削減できること
 ⑤ 教育的であること
 米は、徳島の「なかがわ野菊の里」から無農薬・無化学肥料栽培米を仕入れています。コスト的には少し高くつくのですが、「自分の子どもに食べさせたいと思うなら、うちの幼稚園の子はおれの子といっしょや」という思いで取引を始めました。
 ネックとなったのは栄養価基準でした。
 松井さんによると、学校法人の幼稚園には栄養価基準がなく、給食の内容を自由に決めることができますが、保育園や認定こども園は栄養価基準があります。
 「その中でも特にカルシウムが大変」ということで、簡単にカルシウム基準をクリアできる牛乳は飲ませたくなかったため、
納豆などにイリコやシラスとい
った小魚を使うようにしました。
 逆に、牛乳や卵も使っていないので、アレルギー対応が楽になったといいます。すると「みんな同じものが食べられます」。
 ⑤については、年長児が味噌づくりをしているほか、バケツ稲や野菜づくりなどにも取り組んでいます。

職員の基礎体温も上昇

 正食クッキングスクールの講師も協力して、玄米ごはん、小魚や野菜たっぷりの納豆、味噌汁にあと一品という玄米和食の給食を続けた結果、子どもたちには高取保育園の園児と同じような落ち着きが見られるようになりました。
 感染症にかかりにくくなり、インフルエンザが流行る冬でも、かかる園児はいても学級閉鎖になるほどには広がりません。
 「職員の基礎体温も上昇し、1度上がった先生がたくさんいます」と、思わぬ効果もありました。
 最後に松井さんは「食はみなさんが思っている以上にすごい愛情です。もう一度、見直していただき、できれば玄米和食に興味をもっていただきたい」と呼びかけました。

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松井直輝(まつい・なおき)
大阪生まれ。佛教大学社会学部を卒業後、学校法人泉新学園に勤務。97年、国際TA協会公認の交流分析士(教育)の資格を取得。
99年には国際TA協会公認の准教授メンバー(教育)の資格を日本人で初めて取得。
現在、教育システム研究所の所長ほか、子育てと教育支援のNPO法人エンジェルサポートアソシエーションの理事長など多岐にわたって活動中。2012年1月より大阪府松原市の教育委員に拝命。6月、泉新学園理事長に就任。
  • 2020年10月31日 14時24分更新
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