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【免疫力UP情報】マクロビオティックのエビデンス③

【免疫力UP情報】
昨今、世間を騒がす新型コロナウイルス。
こちらのコーナーではコロナに負けない身体づくりのための情報を、
過去のむすび誌や正食出版発行書籍から抜粋してご紹介致します。
第10弾は「むすび誌2018年6月号」よりマクロビオティックのエビデンスの記事です(全3回)。
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「マクロビには強固な科学的エビデンス」

死亡率低下に多くの根拠

 下
の表は、作田さんが一般社団法人・日本防衛衛生学会が定期発行する学会誌「防衛衛生」2016年1112月号で発表した論文「マクロビオティックスのエビデンスはどの程度か? 低炭水化物ダイエットないし西洋食へのアンチテーゼ」に掲載されたものです。
 作田さんは、世界の主要医学系雑誌に掲載された文献を対象にした検索エンジンのパブメドを駆使するなどして、最新の医学情報を入手しています。
 そうして得た健康についての知見と、マクロビオティックについては米国で活躍した久司道夫氏が体系づけた内容を主に参考にして、マクロビオティックのエビデンスについて調査しました。
 それによると、死亡率低下については、「卵をまったく摂らない」と「低脂肪乳製品を多く摂らない」以外は、ほとんどの推奨事項で一定のエビデンスがあることがわかります。



小食やプチ断食にも効果

穀物菜食と一物全体のほか、マクロビオティックでは「食べすぎ」を戒め、小食を心がけます。
 カロリー制限について作田さんは、以下の長所を挙げます。
 ・ミトコンドリアの機能を活性化させると同時に量も増やして老化を防ぐ
 ・老化酵素(mTOR)を不活性化して寿命を延ばす
 ・オートファジー(自食機能)を促して炎症を抑える
 ・褐色脂肪を増やして肥満対策(減量)や2型糖尿病の予防にもなる
 ・ほか心血管疾患やがん、認知症、サルコペニアの予防にも役立つことも示唆される
 「カロリー摂取を控えめに」という推奨事項が◎になっているのは、短命のネズミだけでなく、遺伝的に人間と近く、割と長命であるアカゲザルを使った実験でも、カロリー制限により寿命を延ばすことが示唆されたからです。
 同様に間欠的絶食(プチ断食)についても、作田さんは「健康にいい」と考えています。
 ただし、朝食については、体内時計の概日リズムを保って健康を維持するためにも、決められた時間にきちんと摂ることを勧めています。

うつなど心の健康に影響

 
植物性食品中心の食事については、作田さんは「からだだけでなく心の健康にもよい」と話します。
 「炎症はうつにも関係している」ということで、炎症を抑えることは老化とともにうつも抑えると考えられます。
 そのメカニズムの一つが、食物繊維が腸内細菌を善玉化し、炎症性物質(LPS)の腸から体内への流入を防ぐ仕組みです。
 7ページで「動物性の脂肪に含まれる飽和脂肪酸が炎症を引き起こす」という説明の中で、腸内細菌を悪玉化すれば炎症性物質が体内に流入しやすくなるとありましたが、炎症性物質は血液脳関門を通過して脳に届くことがわかっています。すると、うつや不安に見舞われ、病状を悪化させます。「肉の多量摂取は、心の健康に悪影響を及ぼす」(同書)のです。
 植物性食品中心というと、理想は菜食主義ですが、作田さんは「ヘルシーな菜食主義」とそうでないものの2種類があると見ています。
 ヘルシーな方は、全粒穀物や野菜、果物、豆、ナッツ、海藻などで、白いパンなどの精製穀物やシュガーを多く摂るのは、菜食主義といってもあまりヘルシーとはいえません。
 また、青魚などに含まれるオメガ3脂肪酸もうつ症状を改善することが示されています。作田さんによると、「米国の循環器学会も精神学会も、魚を1週間に2回以上摂った方がいいといっています」とのことでした。

老化や関連疾患の予防も

 
これまで作田さんの研究をざっとみてきたところで、最新の現代医学に照らしてマクロビオティックにはかなりのエビデンスがあることがわかってきたと思います。
 上述の論文でも作田さんは「久司らがマクロビについて啓蒙活動を始めたとき、その主張について十分な科学的証拠があったわけではない。だが、先見の明があったためか、それとも偶然か、それらの主張は、今日では、強固な科学的エビデンスを得ている」と分析しています。
 さらに「マクロビの唱える食事法のうち検証可能な主張については、現代の科学的知見に照らしても、老化や老化関連疾患の予防上、有益である可能性が高い」とも記しています。
 取材でも「自分が勉強した中で、マクロビオティックは非常に追い風というかエビデンスがあるなと感じました。老化を抑制する方向は正しく、メンタル面を考えても、マクロビオティックは間違っていないと思います」という力強いエールをいただきました。
 ただし、マクロビオティックの基本のうち、身土不二や陰陽調和について検証が難しいという指摘もありました。

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作田英成(さくた・ひでなり)
1957年東京生まれ。医学博士。82年に防衛医科大学卒業後、自衛隊中央病院、自衛隊熊本病院などで勤務。97〜99年皇太后侍医(宮内庁出向)。
2007年自衛隊仙台病院副院長、13年自衛隊中央病院診療技術部長、15年同病院総合診療科部長を経て、17年8月に蒲田リハビリテーション病院副院長に就任。
日本内科学会総合内科専門医・指導医、日本内分泌学会評議員・内分泌代謝科専門医、日本医師会産業医。専門は内分泌代謝。