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【免疫力UP情報】腸荒れはなぜ引き起こされるのか?①

【免疫力UP情報】
昨今、世間を騒がす新型コロナウイルス。
こちらのコーナーではコロナに負けない身体づくりのための情報を、
過去のむすび誌や正食出版発行書籍から抜粋してご紹介致します。
第5弾は「むすび誌2019年3月号」~「むすび誌2019年8月号」までの連載より「腸荒れはなぜ引き起こされるのか?(岡部賢二∥作)」の記事です(全6回)。
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腸内細菌の95%は大腸にすんでいる

 最近、腸内環境を改善するためのさまざまな本や健康食品が販売されていますが、これは、多くの方に腸が大切な臓器であることが認知されたからでしょう。
腸の働きがわかると、食事による改善ができるようになります。まずは、腸のメカニズムを見ていきましょう。
 腸は小腸と大腸に分かれています。小腸は長さが6~7メートルもあり、腸壁が絨(じゅう)毛に覆われているのに対して、大腸は1.5メートルくらいで、絨毛がないのが特徴です。
 腸内細菌は約300種類、100兆個くらい存在し、重さにすると1.5キロにもなるといわれ、小腸に5%、大腸に95%存在します。したがって、腸内環境の改善には、大腸の働きをいかに良くするか、ということが決め手になります。

消化と吸収は小腸が主
 小腸では食物の消化と吸収が行われ、吸収できなかった残りの水分や栄養素は大腸で吸収されます。
 人間の活動エネルギーとして欠くことができないブドウ糖(糖質)は、主に小腸で吸収されますが、精白した糖質である白米や精白小麦粉、白砂糖は、ブドウ糖が急激に吸収され、血液中に取り込まれるため、高血糖状態を招き、糖尿病になりやすくなります。
 また、食物中のたんぱく質はアミノ酸まで分解されて小腸で吸収された後、門脈を通じて肝臓に運ばれて、酵素やホルモンといった人体に必要な物質に合成され、過剰なブドウ糖やアミノ酸は尿として捨てられます。

ブドウ糖不足になると大腸の炎症から肌荒れに
 甘酒を作るときに麹(こうじ)菌のエサとしてごはんの糖質を用いたり、酵素飲料を製造するときに、酵母菌などのエサとして砂糖が用いられるように、菌にはエサが必要です。
腸内細菌が一番喜ぶエサはブドウ糖です。
 ところが、栄養学者がすすめる消化によい食べ物では、ブドウ糖のほとんどが小腸で吸収されてしまい、大腸まで届きません。そうなると、腸内細菌は生き残るために少量のブドウ糖が含まれる粘液を食べはじめます。
 粘液は腸壁を覆っている大切な保護成分で、異物が体内に侵入しないためのバリアを形成しています。
また、水分を吸収した後の食べ物のカスやバクテリアの死骸(がい)といった不要なものを粘膜でコーティングして、排泄(せつ)する役目も担っています。
 したがって、大腸に腸内細菌が必要とする糖質が来ないと、粘膜がただれてしまい、炎症を引き起こしてしまいます。
 大腸の壁面がただれてくると、まずは肌荒れが引き起こされます。
なぜなら肌が外側の皮膚とするならば、人体の内側の皮膚は腸壁であり、両者は裏表の関係にあるといえるからです。
 さらに、粘液の不足は多くの女性の悩みである便秘をもたらします。
 これらのことからも肌荒れや便秘の原因は、腸内細菌のエサ不足にあることがわかります。

腸荒れは病気の原因にも
 そして、腸荒れがひどくなると、腸粘膜に穴が開き、本来通さないたんぱく質やバクテリア、ウイルス、毒性物質などが腸壁の傷から体内に入り込み、リーキーガットという症状を引き起こします。
 他にアトピー性皮膚炎や花粉症といったアレルギー疾患、潰瘍(かいよう)性大腸炎、クローン病などの自己免疫疾患も、腸荒れが原因となって生じる症状といえます。
 「情報をリークする」という言葉がありますが、リークとは漏れることを指します。
テニスラケットのボールを跳ね返す部分をガットといいますが、腸をこのガットに例えると、ガットの目が大きくなると大きなボール状のたんぱく質の塊が漏れ出すわけです。

菌が好む食物繊維で腸内環境を改善
 腸の炎症を改善するためには、大腸にいる腸内細菌にエサを与えてあげることです。それには、小腸で吸収されないブドウ糖を提供してあげる必要があり、それが食物繊維なのです。
 食物繊維には不溶性と水溶性があり、不溶性食物繊維であるセルロースはブドウ糖が長い鎖状にくっついたもので、小腸を素通りして大腸に届き、腸内細菌のエサになります。
皮付きの玄米や雑穀が体によいといわれるのは、小腸でゆっくりと吸収されるため、血糖値が急激に上がらず、糖尿病になりにくい体質を作るだけでなく、大腸の腸内環境をよくしてくれるからです。
 一方、海藻類やきのこ類、こんにゃく、ごぼうといったカロリーが低いものや、海藻やきのこ、里芋などのヌメヌメ成分に含まれる水溶性食物繊維は腸内細菌の好むエサになります。
 また、オリゴ糖や葛(くず)に含まれる糖質も難消化性なので、そのほとんどが大腸に届き、腸内環境を改善してくれる優れものです。
 これからは腸の改善にあえて消化に悪いものを食べるという新しい常識が必要ですね。



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岡部賢二(おかべ・けんじ)
大学在学中に渡米し、肥満の多さに驚いて「アメリカ社会とダイエット食品」をテーマに研究。日本の伝統食が最高のダイエット食品と気づいた後、正食と出会う。正食協会講師として活躍後、2003年、福岡県の田舎に移り住み、日本玄米正食研究所を開設。2005年にムスビの会を発足させ、講演や健康指導、プチ断食セミナーやマクロビオティックセミナーを九州各地で開催している。正食協会理事。著書は「マワリテメクル小宇宙~暮らしに活かす陰陽五行」(ムスビの会)、「月のリズムでダイエット」(サンマーク出版)、「心とからだをきれいにするマクロビオティック」(PHP研究所)、「家庭を内部被ばくから守る食事法」(廣済堂出版)、「からだのニオイは食事で消す」(河出書房)、「ぐずる子、さわぐ子は食事で変わる!」(廣済堂出版)