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杉樽醤油を作る、小豆島のヤマヒサへ見学に行ってきました

  1113日、木曜日。正食クッキングスクールの講師陣の皆さんと、JR姫路駅に集合し、レンタカーで姫路港からフェリーに乗りました。小豆島の福田港までの時間、わいわい賑やかに楽しくおしゃべりしながら過ごしました。メンバーは、野口清美先生、島田弘子先生、今村圭子先生、そして指導員&事務局の宮本貴子さん。冬将軍到来とあって、風が強く波があるものの、太陽がまぶしく素晴らしい天候でした。   ヤマヒサの四代目社長、植松勝久さんに迎えられて、最初に案内されたのは、小豆島産オリーブオイルを搾っている工場でした。建物の中は青い果実の香りが溢れていました。工程をざっくり説明すると、果実をすり潰してペースト状にしたものを搾り、その果汁を遠心分離器で油と水に分け、油を濾過してできあがりです。   できたてのオリーブオイルを口にした野口清美先生の感想です。 「普段、私がいただいているものとは違って、何のくせもなく、オイルなのに少しさわやかな風味で、後口に少しだけ苦みを感じましたが、それさえもさわやかな感じがして、美味しいものでした。オリーブオイルが、果肉ごと一物全体を搾って作ることを初めて知りました」   そして、発酵食品が大好きな講師陣が興味津々の醤油工場に案内していただきました。ヤマヒサ醤油の伝統製法を、かいつまんで説明させていただきます。 蒸した大豆と炒って砕いた小麦を混ぜ、種麹(麹菌の胞子)を入れて、室屋(むろや)という部屋に入れます。 そして、温度や湿度を与え45時間ぐらいかけて、麹が作られます。その麹を杉樽に移して、塩水と混ぜます。これをもろみといいます。それから発酵熟成の段階に入り、濃口醤油で、1年半くらい時々混ぜながら寝かせます。そして、生醤油であれば、搾って火入れをせずに、濾過して瓶に詰めて出来上がりです。     今村圭子先生のコメントです。 「醤油蔵に入ると、深い香りと年代物の木桶に遠い昔にタイムスリップをしたような感覚を覚えました。木桶には仕込まれたもろみが発酵・熟成し、琴の音色をBGMに季節を重ね静かに変化し生きている力強さに満ちていました」 「一般ではステンレスでの仕込みが普通ですが、ヤマヒサ醤油さんは昔ながらの木桶を使われ、原材料も確かな物を使用され、私達に良い醤油を作り続けてくださるポリシーを感じました」   ヤマヒサを訪れるのは二度目の島田弘子先生の感想です。 「悠久の時がまるでそこだけ止まったようなこの蔵は、言葉にならない不思議な感覚がします。建物全体がまるで大きなひとつの生命のようです。生き物を育てるような人の優しさやぬくもりを感じました。自然にすべてをゆだねて見守り、丁寧に造り上げ送り出されるお醤油たち。今まで以上にお醤油に“いのち”を感じるようになりました。ここのお醤油はきっと自然にもカラダにも一番近い・・・いや私たちと同じ生命そのもののように感じました」   指導員の宮本貴子さんの感想です。 「醤油蔵の中で、お琴の音を聴きながら、フツフツと心地よさそうに育っているお醤油たちは、まるでお昼寝している赤子のような感じでとっても幸せな雰囲気でした。こんな命あふれる環境で育ったお醤油をいただける幸せを改めて感じました」     農産物などで、よく顔が見える関係ということを言いますが、料理や食卓で使う醤油を、海に浮かぶ島の風景や蔵のことや作っていただいている人たちの顔を思い浮かべながら味わう喜びは格別なことだと改めて感じた今回の旅でした。                                                       (Terry)
  • 2014年11月27日 12時55分更新
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