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【免疫力UP情報】お口から考える食育②

【免疫力UP情報】
過去のむすび誌や正食出版発行書籍から抜粋してご紹介致します。
第26弾は「むすび誌2016年10月号」よりお口から考える食育の記事をご紹介します。(全10回)。
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わが子の歯より携帯のメール
 実際に虐待を受けたある子どもの例です。
 両側のいちばん奥に生えた永久歯の痛みを訴えて来院した、小学校二年生の男の子がいました。男の子は服装が汚れ、風呂に入れてもらっていないように見えました。
 虫歯の原因について母親に説明しようとすると、母親は携帯のメールに夢中で、うつむいて無言のまま。子どもは母親に対してかなりおびえている印象でした。
 その後は定期的に来院することはなく、痛みが起きるたびに一人で訪れるようになりました。一人で来たときは人懐こい性格でした。
 状況把握のため、子どもの通う小学校に電話しましたが、対応が十分ではないと感じ、行政の児童福祉課にも相談しました。結局、その後の消息は不明です。
 ネグレクトの一例とも思われますが、岡崎さんによると、「こんな子はどこの学校でも一人や二人はいる」とのことでした。
 「親の子どもに対する関心のなさが口の中に現れてくる。そういう時代なんじゃないかなと思います」

殴られて前歯が欠けた女児
 また、三年前には、小児歯科医として三〇年余り治療を続けてきた中で「こんな不自然な口は初めて見た」と驚くほどの衝撃的な例に接しました。
 五歳の女の子でしたが、乳歯が生えそろって、虫歯はゼロだったものの、なぜか下の前歯だけが三本欠けていたのです(左の写真)。
 子どもの場合、転んで地面などで前歯を折ることはありますが、欠けるのはたいてい上の前歯です。さらに、下の前歯が抜けて永久歯に生え替わるのは、小学三年生くらいのときです。
 連れて来た女性に「どうされたんですか?」と聞くと、母親とばかり岡崎さんが思っていた女性は、児童養護施設の職員でした。
 その職員はこう答えました。「この子は父親に殴られて歯が三本抜けたんです」と。

孤食が問題になってもう34
 岡崎さんによると、少年院に収容された子どもたちの七割は、何らかの虐待を受けてきたといわれます。
 「しつけだ」と言われて暴力をふるわれた子どもたちが、親になったとき、同じようにわが子を「しつけ」と称して殴るのではないか。そういった危惧があります。
 岡崎さんは、「自分の両親を信頼することができない子どもたちは、大きくなったとき、どう考えても、社会を信頼できるようになるとは思えません。そうすると、日本の国が、少年犯罪が増えて、ますます住みにくい国になるということを暗示しているのでは」と訴えました。
 非行の背景の一つとして、岡崎さんは食の影響を心配しています。
 NHKが、一人きりの食事=孤食の問題をいち早く取り上げて番組で放送したのが1982年、もう三四年も前のことです。孤食が広がり、そうして育った子どもたちが親になり、わが子を育てる世代になるには、十分すぎる時間がたちました。
 「なぜこの子は少年院に入ったんだろうか。ひょっとしたら、一人で食べるのが寂しかったからじゃないかなと思います。寂しいから、夜中にどこかに出かけていく。そこで悪い友だちとつき合う。そういうことが、もしかしたら非行の原因になっているのかもわかりません」

家族いっしょの食事で「家」
 そこで岡崎さんが大事だと考えるのは、家族がいっしょに食事をすることです。
 「日本語の『いえ(家)』という言葉、昔は『いへ』と発音していました。『い』は接頭語で、『へ』は『へっつい』、かまどという意味です。つまり、かまどでつくった『同じ釜の飯を食う』、いっしょに食事をすることによって、一つの運命共同体をつくる、これが実は日本の『家』の語源ということがわかってきました」 もちろん毎食、家族全員が集まって食事をするとなると、難しいかもしれません。岡崎さんは、たとえ家族で食卓を囲むことが週に一回しかなくても、「家族がいっしょに食事をすることが大事」という共通認識をもつことが大切と説きました。

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岡崎好秀(おかざき・よしひで)
1952年大阪生まれ。愛知学院大学歯学部卒。大阪大学歯学部小児歯科学科を経て、84年より岡山学院大学部・歯学部附属病院小児歯科講師を務める。2013年に岡山大学を早期退職し、国立モンゴル医科大学歯学部客員教授ん就任。専門は、小児歯科、障害児歯科、健康教育。著書に「カミカミ健康学 ひとくち30回で107さい」(少年写真新聞社)「カムカム大百科 歯科医から見た食育ワンダーランド」(東山書房)など
  • 2022年06月09日 12時36分更新
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