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【免疫力UP情報】心の力が 医療を変える④

【免疫力UP情報】
過去のむすび誌や正食出版発行書籍から抜粋してご紹介致します。
第27弾は「むすび誌2015年12月号」より心の力が医療を変えるの記事をご紹介します。(全12回)。
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生存期間や生存率が伸長し QOL=人生の質も高まる
 「私たちの心のありようとか生きる姿勢は、病気の治癒の過程や治療の効き方だけでなく、副作用にも大きな影響を与えるのではないかということから、(博士は)この心理療法を開発して、患者に提供していくようになりました」
 川畑さんによると、1974年から四年間、進行がん患者一九三人を対象に、通常の治療に加えてサイモントンが心理的なアプローチを行った結果、通常の治療だけの患者に比べ、生存可能期間が倍以上に、そして長期生存率は四倍以上になり、「何よりもQOL(人生の質)が高まるという結果が出ました」。
 さらに、博士が目ざしたのは、生存期間や長期生存率の伸長ではなく、「長くても短くても、質を伴った人生を送れるかにいちばん注目しています」ということでした。
 博士は、最終的にはカウンセリングを主にした治療を行うようになり、サイモントン・キャンサー・カウンセリングセンターをカリフォルニアに設立、アメリカをはじめ世界各国にサイモントン療法の提供を始めました。現在では欧米各国のほか、日本にも普及しています。

親への不信がうらみに変化 がんで助けを求め親と和解
 それでは、川畑さんが実際にかかわった臨床例で、サイモントン療法について見ていきます。


 川畑さんは、患者の足をさすりながらカウンセリングをして誘導していましたが、手を止めるタイミングがつかめないぐらい、「どこが死の始まりかまったくわからないような見事な卒業式でした」。
 間もなく駆けつけた両親の手には、娘の好物だった手づくりの茶わん蒸しがありました。

病気だけに焦点を当てないで 人生全般に目を向けること
 サイモントン療法では、健康であることが私たちの本質であり、「病気は、私たちが本性(自然の状態・あるがままの状態)から離れ始めたときに現れるメッセンジャー」ととらえます。
 病気のメッセージとは、「無理や我慢をせず、もっと自分をいたわって、あなたの本性にかえりなさい」ということです。
 「病気の原因は、自分でない何者かになろうと努力すること。意識・自覚しているとは限らず、無自覚・無意識のうちにしてしまっていることがほとんどです。癒しの源というのは、あるがままの自分を受け入れることです」
 その上で、「病気だけに焦点を当てず、人生全般、その人の存在そのものに焦点を当てます」。
 「本性にかえる」ために、病気の有無にかかわらず、人生の目的である「幸せになりたい」という純粋で根源的な欲求に目を向けます。「自分の人生に喜びをもたらすものは何か」を考えることが、サイモントン療法では最初の課題になり、「最低五つ(は挙げる)というのが一つのガイドライン」ということでした。

家族や健康への感謝の気持ち 病気の恩恵を考え好機にする
 また、「病気には恩恵がある」とも考えます。
 例えば、家族や友人らの思いやりや愛情を感じるようになった、感謝の気持ちがわくようになった、健康のありがたさがわかった―など。
 それらを「ストレスによってもたらされた成長=PTG(心的外傷後成長)」ととらえ、「病気はつらい経験だが、人生の大切な課題に取り組むチャンスでもある」と考えて、そこで先に挙げた「自分の人生に喜びをもたらすもの」に向かうヒントが得られるようになります。
 しめくくりに川畑さんは「死と向かい合う、許容する、受容することによって、私たちは初めて生と向かい合うことができるようになります」と話し、サイモントン療法の中の課題として、「もし今日が人生最後の日だったら」という問いかけを紹介しました。
 「そのときに、人生で最も感謝したことは何かと振り返ると、長生きできたとか、お金や物をいっぱい持てたという人はゼロ。多くの人が、この世に生を授かったことというふうに答えるか、家族に感謝します」
 「思い通りにいかないこと、ままならないことがあるのが人生です。でも必ずそれは意味があって起こっています。すなわち、すべてはうまくいっているということです」

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川畑のぶこ(かわばた・のぶこ)
通訳の仕事をとおしてサイモントン療法と出会い、2002年にNPO法人サイモントンジャパン(現NPO法人サイモントン療法協会)を設立、現在は副理事長を務める。がん患者や家族向けのプログラムの指導や各地でセラピスト養成指導、心理療法としての断捨離の啓発活動などを行っている。
  • 2023年01月06日 17時09分更新
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