ブログ「マクロなポケット」Blog

【免疫力UP情報】お口から考える食育⑪

【免疫力UP情報】
過去のむすび誌や正食出版発行書籍から抜粋してご紹介致します。
第26弾は「むすび誌2016年10月号」よりお口から考える食育の記事をご紹介します。(全12回)。
-----------------------------------------------------------------------------------
授乳は「浅飲み」よりも「深飲み」で

「マンマ」は赤ちゃんの共通語
 赤ちゃんが最初に口にする意味のある言葉は「マンマ」だと、岡崎さんは話します。日本語だと「お母さん」と「食べもの」をさしますが、実は「世界中どこへ行っても、赤ちゃんが出す最初の意味ある言葉は『マンマ』。それが、お母さん、食べものなんです」と岡崎さん。
 「マンマ」は、口を閉じないと発音できません。食べる動きが発語の訓練にもなっているのです。
 お母さんと食べものというと、すぐに思い浮かぶのが母乳です。
 母親のおなかの中にいるとき、胎児は口を使わないので、下あごは後ろにあります。生まれたときもまだ後ろにありますが、母乳を飲むことで変化してきます。
 「赤ちゃんが唇でお乳を飲んでるというのは大間違い。赤ちゃんは舌を使ってお乳を飲んでいます。赤ちゃんは唇を閉じる力がなく、唇は乳房の周囲に当たってふたをしているだけ。取ろう取ろうとして、母乳を飲む中で舌が前に出てきて、下あごが前に来ます」

生命力のある口をつくろう
 授乳の方法としては、乳首だけが口に入る「浅飲み」ではなく、乳輪まで深くくわえる「深飲み」がいいということでした。
 口蓋の中央にあるくぼみ(吸啜窩)まで乳首が届くことで、舌や口が大きく動き、口蓋を押し広げることにもつながります。
 舌の力がついて口蓋にしっかりあたれば、ものを飲み込む力も大きくなります。上あごがきれいな半円型を描いて、岡崎さんのいう「生命力のある口」になります。
 一方、舌の動きが不十分だと、口蓋が狭くU字型になり、高く(深く)なって、飲み込む力が弱くなります。
 「こういう口の違いはそもそも何から起こるんだろうかと考えたとき、母乳と人工乳では歯並びに差がないと言われますが、やっぱり母乳の方がいい」

母乳で虫歯ができることも
 ただ、母乳育児で気をつけたいことがあります。虫歯です。
 乳歯は生後六か月ごろ、下あごの前歯から生え始め、およそ三歳で二〇本の乳歯列が完成します。
 岡崎さんによると、「母乳を飲んでいる子で、上の前歯の内側に、歯垢がついていないのに虫歯ができる子がいる」というのです。
 母乳に含まれる乳糖は、乳酸菌の好物です。母乳を飲む赤ちゃんの腸管内に乳酸菌が増えれば、口の中でも乳酸菌が多くなります。乳酸菌は、乳糖を消費して多量の酸を出し、その酸が乳歯を溶かしてしまうのです。
 歯垢ができていないので、正確にいえば虫歯ではなく「酸蝕症」というようですが、これは唾液が分泌されにくい夜間授乳で、舌と歯の裏の間に母乳が残ることが原因とみられます。 それを防ぐには、乳児を起こして歯を磨かせるのも大変なので、お乳をはずしたときに子どもの口の中に指を入れて、こちょこちょと動かせば、それだけで唾液が出て、残っていた母乳が流される、ということでした。

【免疫力UP情報】お口から考える食育⑫へ

-----------------------------------------------------------------------------------
岡崎好秀(おかざき・よしひで)
1952年大阪生まれ。愛知学院大学歯学部卒。大阪大学歯学部小児歯科学科を経て、84年より岡山学院大学部・歯学部附属病院小児歯科講師を務める。2013年に岡山大学を早期退職し、国立モンゴル医科大学歯学部客員教授ん就任。専門は、小児歯科、障害児歯科、健康教育。著書に「カミカミ健康学 ひとくち30回で107さい」(少年写真新聞社)「カムカム大百科 歯科医から見た食育ワンダーランド」(東山書房)など
  • 2022年10月20日 11時16分更新
  • ブログカテゴリー: