ブログ「マクロなポケット」Blog

【免疫力UP情報】お口から考える食育⑩

【免疫力UP情報】
過去のむすび誌や正食出版発行書籍から抜粋してご紹介致します。
第26弾は「むすび誌2016年10月号」よりお口から考える食育の記事をご紹介します。(全12回)。
-----------------------------------------------------------------------------------
捕食を養うよう離乳食与える
 ビデオを見た、ある小学一年生の担任の先生は、「食べるのが遅い子の食べ方だ」と指摘したそうです。
 岡崎さんは、その先生に、「食べるのが遅い子」がロウソクの火を吹き消すところをビデオで撮影してもらいました。すると、その子は口をすぼめて「フー」とするのではなく、口を大きく開いたまま「ハー」と息を吹きかけました。火は一回目では消えず、二回目でやっと消えました。
 もちろん健常児ですが、ビデオを見た岡崎さんは「本来発達すべきところが、ふつうの子どもたちも発達していないのでは。ちゃんと口の機能を育てるのが大事」と話しました。
 岡崎さんの指摘する「本来発達すべき口の機能」とは、一つには唇を動かす、ということです。
 唇(とくに上唇)を伸ばそうとしないから、ロウソクを簡単に消せない、「お茶をすするときには上唇を伸ばさないといけませんが、たぶんこの子はお茶をすすれないはず」と岡崎さん。
 なぜそうなってしまったのかというと、子どもに離乳食を与えるとき、飲み込みやすいよう、離乳食を口の中に入れてあげていたためと、岡崎さんは考えます。口の中に入れられたら、上唇を伸ばす必要はありません。
 上唇が伸びるようにするためには、口の中に離乳食を入れてあげるのではなく、口の少し手前まで持って来たところで手を止め、子どもに取らせよう取らせようとすれば、子どもは口をすぼめ、唇を伸ばすようになります。
 そうして、咀嚼の前に必要な捕食を身につけさせるのです。
 「これをやるだけで、口呼吸はもっと減ると思います」

あいうべ体操で口呼吸を改善
 口呼吸の改善でもう一つのカギになるのは、舌です。
 子どもに離乳食を取らせよう取らせようとして、捕食を促すと、口唇だけでなく、舌を丸めようとします。それも、舌の筋肉を発達させ、口呼吸の予防にもなります。
 舌の運動にかかわる筋肉は、口の中だけでなく、首にまでつながっています。舌の筋肉が発達すると、首がすわってきます。
 舌は、ふだんや眠っているときは、口の中の天井部分=口蓋を覆うようにあたっているのがよく、舌がだんだんと下がっていくと、口が開きやすくなって口呼吸になりがちです。
 舌をしっかり上に上げて、いびきや口呼吸を改善するのに効果的な方法があります。それが、みらいクリニック院長の今井一彰さんが考案した「あいうべ体操」です。
 2013年7月号本誌でも紹介しましたが、口を大きく「あー」「いー」「うー」と開き、最後は舌を思い切り出して「べー」という一連の運動を繰り返します。
 講演会場で参加者に一〇回、「あいうべ体操」をしてもらうと、それだけで、舌が上に上がり、口蓋にくっついたという人が増えました。舌を出して戻す動作は、唾液の分泌も盛んにします。

【免疫力UP情報】お口から考える食育⑪へ

-----------------------------------------------------------------------------------
岡崎好秀(おかざき・よしひで)
1952年大阪生まれ。愛知学院大学歯学部卒。大阪大学歯学部小児歯科学科を経て、84年より岡山学院大学部・歯学部附属病院小児歯科講師を務める。2013年に岡山大学を早期退職し、国立モンゴル医科大学歯学部客員教授ん就任。専門は、小児歯科、障害児歯科、健康教育。著書に「カミカミ健康学 ひとくち30回で107さい」(少年写真新聞社)「カムカム大百科 歯科医から見た食育ワンダーランド」(東山書房)など
  • 2022年10月06日 12時16分更新
  • ブログカテゴリー: