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【免疫力UP情報】お口から考える食育④

【免疫力UP情報】
過去のむすび誌や正食出版発行書籍から抜粋してご紹介致します。
第26弾は「むすび誌2016年10月号」よりお口から考える食育の記事をご紹介します。(全10回)。
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食べものが変われば最初に口が変わる


軟らかい食べもので歯周病
 岡崎さんは、講演などの際によくクイズを出します。簡単なものから、ちょっとひねったものなど、バリエーション豊かな内容で、聴く人たちを飽きさせません。
 左上の写真も、それらの定番クイズの一つに登場します。
 「二枚ともサルの口の中の写真です。一枚は野生のサル、もう一枚は動物園のサルの口の中です。どちらが動物園のサルでしょうか」
 少し考えてみて下さい。ちなみに、サルは動物園でも野生にいても、歯は磨きません。
 比べてみてわかるのは、右側の写真のサルの口は、歯がとがって、歯と歯茎の境目にたくさんの汚れ(歯垢)がつき、歯茎がブヨブヨとしています。実はこれが動物園のサルの口なのです。「歯周病を起こしています」と岡崎さん。
 歯周病は、かつては歯槽膿漏と呼ばれていました。歯垢の中の細菌によって歯肉が炎症を起こし、歯を支える骨を溶かしてしまい、最終的には歯を失うという、怖い感染症です。
 一方、左の野生のサルは、口の中の汚れが少なく、歯と歯茎の境目には歯垢がついていません。
 この口の中の差をつくり出したものが、食べものなのです。
 動物園のサルは、食べやすくした軟らかなエサを食べています。
 野生のサルは、木の葉をたくさん食べ、その次に木の実や木の皮など、自然のままの状態で口にしています。中には硬いものもありますから、よく噛んでいます。 
 ということは、野生のサルは歯茎が引き締まり、唾液がたっぷり出て汚れが流されているのです。
※写真にはむすび誌2016年12月号記事内をご参照ください。

リンゴとケーキを切ると…
 犬などのペットも、缶詰や軟らかいドッグフードなどばかりだと、歯周病にかかって歯茎がブヨブヨになることがあるそうです。
 軟らかいものを食べて歯周病が増える仕組みについて、岡崎さんは次のようにわかりやすく説明しました。
 「ナイフでリンゴを切ると、ナイフは汚れません。でも、ケーキを切ったら、ナイフに汚れがべったりとつきます。このナイフがそのまま私たちの歯です」
 二枚のサルの写真を見た岡崎さんは、「口は食べものが入ってくる最初の場所だから、食べものが変われば、最初に変わるのは口なんじゃないか」と考えたのです。
 子どもたちに歯周病が目立ってきているのも、軟らかい食べものが増えたことが原因の一つともいわれます。

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岡崎好秀(おかざき・よしひで)
1952年大阪生まれ。愛知学院大学歯学部卒。大阪大学歯学部小児歯科学科を経て、84年より岡山学院大学部・歯学部附属病院小児歯科講師を務める。2013年に岡山大学を早期退職し、国立モンゴル医科大学歯学部客員教授ん就任。専門は、小児歯科、障害児歯科、健康教育。著書に「カミカミ健康学 ひとくち30回で107さい」(少年写真新聞社)「カムカム大百科 歯科医から見た食育ワンダーランド」(東山書房)など
  • 2022年07月14日 15時06分更新
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