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【免疫力UP情報】お口から考える食育③

【免疫力UP情報】
過去のむすび誌や正食出版発行書籍から抜粋してご紹介致します。
第26弾は「むすび誌2016年10月号」よりお口から考える食育の記事をご紹介します。(全10回)。
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おやつの与え方と虫歯予防

規則正しく与えて我慢を養う
 子どもにどんなおやつを与えるかということと同時に、どう与えるかも、虫歯予防には大きく関係します。
 結論からいえば、「規則正しく与える」ことです。
 おやつを規則正しく与えていれば、どうなるか。虫歯予防になるだけでなく、岡崎さんは「我慢する気持ちが育つ」といいます。
 例えば岡崎さんは、初診時に母親に対しこんなアンケートを取ったことがあるそうです。

【質問1】治療時にお子さんは、どんな態度をとると思いますか?
 ①上手に治療を受けられる
 ②怖がっている
 ③泣くと思う
 ④治療困難だと思う

【質問2】おやつの与え方は?
 ①時間を決めて与える
 ②ほしがるときに与える

 アンケートを集計すると、おやつを「時間を決めて与える」と答えた母親のうちの半数近く(45%)が、質問1で「上手に治療を受けられる」と回答したのです。
 逆に「ほしがるときに与える」とした母親で、質問2に対してもっとも多かった答えは「泣くと思う」(64%)でした。
 実際に岡崎さんが治療にあたると、子どもたちはほぼ母親が予想したとおりにふるまったそうです。
 「子どもたちの我慢は、どういう心理過程を経て発達するかと考えたときに、実は小さいときのおやつの与え方じゃないかなと思います」と岡崎さん。我慢できる子にしようと思えば、まずは「おやつをむやみに与えない」ことです。
 ほしがるたびにおやつを与えていては、虫歯になりやすい「だらだら食い」につながります。
 規則正しく与えることは、虫歯だけでなく、肥満や将来の生活習慣病の予防にもなり、まさに「三つ子のたましい百まで」の良い食習慣として根づきます。しっかりと心したいものです。

心が開いて口を開く子ども
 岡崎さんによると、母親と二人だけの世界から、幼稚園や保育園などで周りの友達などとの人間関係が出てくると、四歳くらいで「ここで泣いたら恥ずかしい」という意識が芽生えて、歯の治療でも泣かないよう、我慢する気持ちが育ってくるということでした。
 とはいっても、大人でも痛いときは痛いもの。
 歯科医は、できるだけ痛みがないよう治療にあたるわけですが、泣き叫ぶ子どもを相手にしなければいけない場面もあります。
 ベテランの岡崎さんは「怒ったら治療が荒くなる。小児歯科は忍術」と、よき歯科医としての極意を披露しました。
 「なぜ泣いてるのか、痛くて泣いてるのか、甘えて泣いてるのか、恐くて泣いてるのか、ぜんぶ意味が違います。(小児歯科は)それに合わせた治療をしないとダメ。大人はこころが開かなくても口は開きますが、子どもはこころが開かないと口を開かない。そういう考えだと腹が立ちません」 子どもたちのこころをいかに開かせるか、歯科医の苦労がしのばれます。

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岡崎好秀(おかざき・よしひで)
1952年大阪生まれ。愛知学院大学歯学部卒。大阪大学歯学部小児歯科学科を経て、84年より岡山学院大学部・歯学部附属病院小児歯科講師を務める。2013年に岡山大学を早期退職し、国立モンゴル医科大学歯学部客員教授ん就任。専門は、小児歯科、障害児歯科、健康教育。著書に「カミカミ健康学 ひとくち30回で107さい」(少年写真新聞社)「カムカム大百科 歯科医から見た食育ワンダーランド」(東山書房)など
  • 2022年06月23日 12時36分更新
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