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【免疫力UP情報】危機的な状況から和食の復活を②

【免疫力UP情報】
過去のむすび誌や正食出版発行書籍から抜粋してご紹介致します。
第25弾は「むすび誌2015年9月号」より食育シンポジウム「豊かな食卓 和食を未来へ」をご紹介します。(全5回)。
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味噌汁は作りおきしてチン 具材を足して半ば闇鍋状態に
 和食に欠かせない味噌汁はというと、「和食の中でも出現回数が非常に高く、三本の指に入ります」ということで、ほっとしたのもつかの間、「味噌汁をつくっている回数は週二回を切りました」という報告を聞き、思わず目が点に。
 インスタントの味噌汁を使っているのかと思いきや、一度つくった味噌汁を温め直しては、繰り返し何度も食べているのです。
 まず家族の帰宅時間がバラバラなので、食事を始める時間もバラバラ。鍋ごと冷蔵庫で冷やしておいた味噌汁を、一人ずつ出しては電子レンジで温め直します。いわゆる個食です。
 その際、和風の汁椀ではチンできません。マグカップで味噌汁を食べる家庭が増えているのは、電子レンジでチンできるからです。
 「(中身が)足りなくなると、具材を上から足していきます。半ば闇鍋のような状態になっているものもけっこうあります」という指摘に驚いてしまうのは、もはや少数派なのでしょうか。
 味噌汁のつくり方も、よく聞いてみると、味噌を溶いたあとに最後にだしを入れる家庭があるようです。最後に調味料を加えるインスタントラーメンのつくり方が染みついているのか、「最初にだしを振り入れるのがピンと来ない」のだそうです。

魚はフライパンで焼けるもの 鍋つゆは煮込み向きが人気
 また、和食の定番メニューの魚の干物や煮魚、焼き魚も減少傾向に。
 魚は、焼くときはグリルではなくフライパンを使う家庭が多くなり、塩鮭やブリなど「フィレ状態で、骨を取らなくてもよくて、肉扱いできるものが中心」になってきているそうです。
 数年前から、さまざまな鍋つゆがスーパーの店頭に並ぶようになり、「鍋ブーム」ともてはやされましたが、「実はあれは嘘です」と、岩村さんはきっぱり否定します。
 岩村さんの調査では、鍋の出現回数はどんどん落ちています。鍋奉行といわれる人が家庭にいなくなり、しかも前述したように家族がみなバラバラに食べている現状では、家族で一つの鍋を囲むこと自体が困難になりました。
 たくさんある鍋つゆで売れているのは「シチュー状態に煮込んでくれるつゆだけ」。鍋も、バラバラに帰宅した家族が、それぞれでチンして温め直して食べるようになっているのです。
 「和食も、家族の食べ方、暮らし方、お母さんという立場の変容、そして技術力、使われる調理機器の問題など、さまざまなことが要因になってずいぶん変わりました。家族のあり方、暮らし方も変わってきます。どうにもならないところに来ているのかもしれません」
 もちろん「和食の危機」は、「個々のお母さんたちの問題ではなくて、日本の大きな歴史の中のうねりの中で起きてきた集大成が、いまここにきているのではないかと感じています」という岩村さんの話に、うなずく人は多いと思います。 一方、岩村さんは次のように述べました。「ちょうどそこにユネスコの無形文化遺産登録が決まって、(食を立て直すための)もうラストチャンスかなと思ったりしました」

【免疫力UP情報】危機的な状況から和食の復活を③へ
  • 2022年03月31日 17時44分更新
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