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【免疫力UP情報】患者らに食養伝える 東京・あしかりクリニック①

【免疫力UP情報】
過去のむすび誌や正食出版発行書籍から抜粋してご紹介致します。
第23弾は「むすび誌2019年2月号」より食が癒す心のやまいの記事をご紹介します。(全2回)。
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 東京都中野区にある「あしかりクリニック」は、精神・神経科と心療内科の診療を行っています。特徴的なのは、なんといってもクリニック内にキッチンスタジオを備え、通常の料理教室ではなく、食養の考えに基づいた初心者向けの講義と家庭で実践できる食養料理が学べる「食養教室」を開設しているところです。参加者のほとんどは患者ですが、患者の家族のほか、一般の参加も可能です。食養教室を取材するとともに、芦刈伊世子院長にお話をうかがいました。

キッチン付き多目的室で

 
JR中野駅から徒歩約7~8分。小学校の校庭に面した住宅街の中に、あしかりクリニックはあります。
 取材に訪れた日は、ちょうど「秋から冬にかけての食養生 和食」というテーマで、料理教室が開かれていました。
 2階のキッチン付き多目的ルームには、男性1人を含む7人の参加者が集まりました。最初に最近の一人ひとりの近況や心身の調子を聞いたあと、NPO法人・日本綜合医学会認定の食養学院食養指導士の河村かづしさんが、冬におすすめの食材などについて説明しました。
 この日のメニューは、塩を振って細かく刻んだ小松菜をまぜた玄米ごはん、大根と鮏の粕汁、クローブ風味の塩煮りんご。
 河村さんは、粕汁に使う鮏やニンジン、玉ネギ、そして発酵食品である酒粕などは、からだを温める作用があり、食物繊維の豊富な小松菜や善玉菌のえさにもなる酒粕は、腸内環境を整えることなどを話しました。
 また、砂糖を使わず塩味で自然な甘味を引き出す塩煮りんごでは、アユルヴェーダや漢方、または歯科の麻酔薬としても利用される香辛料のクローブが、胃腸の冷えによる頭痛や生理痛などを抑えたり、口臭予防にも効果があることを伝えました。
 ひととおりの説明が終わると、実習開始です。

料理のほか交流も楽しむ
 
エプロン姿になった参加者らは、河村さんの指示に従って、手慣れた様子で調理を始めました。
 「ニンジンの皮はむかなくていいですか」という問いかけに、河村さんはすかさず「一物全体だからいいのよ」と答えます。塩煮りんごでは、あとで取り出しますが、皮や芯も加えました。
 調理が終わると試食。和やかな雰囲気のうちに箸が進みます。食後は、冷え取りやからだを温める生活の仕方などを河村さんがアドバイスして、散会となりました。
 参加した男性(80代)に話を聞きました。
 もともと妻が認知症になってクリニックに通院するうちに、食養教室に通うようになったということでした。畑で野菜もつくっているそうです。
 実習した料理を自宅でつくることはないということでしたが、教室には毎回のように通い続けて、仲間との交流を楽しんでいます。

ヨガや認知症予防教室も

 
食養教室は、クリニックが移転・新築した4年半ほど前に2階に多目的ルームができてスタートしました。
 教室では、食養全般について理解するための4回の「初級コース」をまず受講します。
 1回目は食養概論。心身と食べものの関係、一物全体や身土不二などの基本を学びます。2回目は、おいしい玄米の炊き方、骨を丈夫にする食品など。3回目は野菜や発酵食品などについて。4回目は、脂質やタンパク質の摂り方など。
 初級は週1回で、毎回、玄米を使った主食と味噌汁などをいただきながら学びます。
 初級コースを修了すると「ステップアップ」の講座があります。取材したのもそのステップアップの講座の一つで、季節ごとの心身の整え方やいろいろな食養料理を実習します。
 いずれも有料ですが、クリニックで診療を受ければ保険が利くこともあります。
 多目的ルームでは、ヨガや活筋健康メソッドといった、からだを使うセラピーや、本気の認知症予防教室、絵手紙教室も行われています。

玄米採食で花粉症が解消

 
食養教室で3人いる食養指導士のうち中心になって指導している河村さんにお聞きしました。
 河村さんは、二人の娘のアトピー性皮膚炎の治療を通じて、日本綜合医学会理事の王瑞雲医師に出会い、「天才と、キンピラゴボウの作り方」(小倉充倭子著)と日本綜合医学会のパンフレットを渡されました。
 早速、食養学院の受講を申し込んで、それまで「朝はパンで、夜は肉と魚を順番に出していた」家の食事を一八〇度変えて、玄米と野菜中心の食事にしました。食卓から肉が消え、夫や娘には魚は出していましたが、河村さん自身は動物性をゼロにしてみました。
 大好きだった甘いものも我慢し、玄米菜食を始めたのが8年前の1月でしたが、3月になると、毎年病院で治療するほど悩まされていた花粉症の症状が出ないことに驚きました。
 子どものアトピーもだんだんと収まり、食事に不満をもっていた夫も、自分のアトピーがきれいになった上に、コレステロール値が下がるなど健康診断や血液検査の数値が改善して、食の影響を実感した様子でした。
 クリニックで食養教室が開かれることになり、王医師の紹介で指導を引き受けました。

参加者は食の大切さを実感

 
河村さんによると、食養教室にやって来るのは9割近くがクリニックの患者で、中には食べものが偏っていたり、料理をしていない、あるいは料理をしていたものの病気になってできなくなったという人たちもいるということでした。
 教室では、講義だけでなく、毎回、玄米ごはんと味噌汁、野菜や魚、豆のおかずという食事が付きます。この頃は中国薬膳も取り入れられています。
 「やっぱりいくら話をしてもわからない、気づかないことがあるので、食べてもらうのが一番です。初級を受けている人に聞くと、『やっぱり食べると違う』『食事でこんなに違うのか』と言われる人は多いです」
 調理実習は、スーパーでふつうに買える食材を使い、家に帰っても手軽にできるメニューを心がけています。
 肉が好きな人には「脂っこい肉よりも、なるべくヘルシーな鶏の胸肉を」と指導して、胸肉の煮汁でチキンスープをつくることもあるそうです。
 料理のほか味噌や梅紫蘇ジュースづくりも。過去には鉄火味噌をつくったこともあったそうです。

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芦刈伊世子(ありかり・いよこ)
平成2年長崎大学医学部を卒業、慶應義塾大学医学部精神・神経科に入局後、国立病院東京医療センター、慈雲堂内科病院、浴風会病院、慶應義塾大学病院において臨床経験を積む。地域診療をしていきたいという思いがあり、平成14年9月にあしかり医院クリニックを開院。平成26年6月より移転。脳と心の予防センターを併設することとなり、グループセラピーもはじめる。平成27年9月には東京都の指定で中野区地域連携型認知症疾患医療センターを運営する。


  • 2021年12月09日 15時08分更新
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