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【免疫力UP情報】「医と食 健康フォーラム」質疑応答④

【免疫力UP情報】
昨今、世間を騒がす新型コロナウイルス。
こちらのコーナーではコロナに負けない身体づくりのための情報を、
過去のむすび誌や正食出版発行書籍から抜粋してご紹介致します。
第22弾は「むすび誌2017年4月号」特集「医と食 健康フォーラム」より岡崎氏、渡邊氏への質疑応答をご紹介します。(全4回)。
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医療側が敏感なのは医療報酬
Q.健康長寿のための食事につい、て患者の側に正しい知識を提供するために、医療側に求められるものは?

A.渡邊氏は「医療側がいちばん敏感に動くのは、やはり医療報酬。医療報酬をそちらの方に誘導することだと思います」。
 最近は、「食事療法や食事指導の点数が少しずつ増えている」ということで、「管理栄養士の人たちにインセンティブ(動機)を与えるという意味で、けっこういいことだと思います」と歓迎しました。
 中でも糖尿病の専門医などは、食事療法に取り組むことで投薬も効果を上げることがだんだんと理解されるようになっているようです。
 また、内閣府食育推進評価専門委員座長も務めた渡邊氏は、「栄養教諭が活躍している小学校は食育の成果がそこそこ大きい」として、学校給食の取り組みも一定の評価を与え、「そういう人たちが、正食の考えをもう少し取り入れて、いい方向の献立をつくっていっていただければ」と期待を示しました。

リバウンドを繰り返すと霜降り肉に
Q.ダイエットでは、体重を減らすのはひと月に2キロまでということですが。

A.渡邊氏は、「(現在の体重である)何キロから始めるかということもありますが、体重減がいちばんわかりやすくて励みにもなります」と話したあとで、「ひと月に10キロも減らすというのは、やりすぎとしか言いようがありません」と注意を呼びかけました。
 「地道に2キロぐらいのペースで、食べものと運動と両方で減らすのが、リバウンドもなくていい」
 例えば、極端なダイエットを売りものにしてテレビなどで宣伝しているジムでは、リバウンドする例が多いとして、「リバウンドするときは主として脂肪が増えます。何回もリバウンドを繰り返すと、だんだん霜降り肉になっていって、筋肉のレベルが落ちてきます」。

なぜ健康で長生きがいいのか?
Q.どうして健康で長生きするのがよいのでしょうか。死後の世界はどう考える?

A.「健康で長生きがいいというのは、自分がやりたいことがやれるからですよ」と渡邊氏。
 「やりたいことがやれない状態で生きることは、個人にとってはとても不幸なこと。尊厳死を認めよという声が、もう少し大きくなる必要があります」
 死後の世界については、「わかる範囲の外なので、考えても基本的にムダだと思いますが」と前置きして、私たちがいま生きている「顕界」と、死んだ人が行くかもしれない「冥界」との間には、絶えずコミュニケーションがあるに違いないという、ある哲学者の考えを紹介しました。
 それに関連して岡崎氏は、貝原益軒が養生訓を著したのは、「人生を楽しむために、というのが先で、だから健康であらねばならないということ」と話しました。
 また、家という言葉はもともとは「いへ」と発音し、かまどの「へっつい」を表す「へ」に接頭語の「い」がついたもので、「同じ釜の飯を食う、いっしょに食事をすることによって、一つの運命共同体をつくる、これが実は日本の『家』の語源」と説明しました。
 そして、「いまの家族関係をみると、いっしょに食事をする、ということが失われているのでは。マクロビオティックは個人的な健康のためのものですが、もっと食べるということを社会的に考えると、そこも重要視していかなといけない」と結びました。

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岡崎好秀(おかざき・よしひで)
1952年大阪府生まれ。専門は小児歯科・障がい児歯科・健康教育。
動物の歯にも造詣が深く、動物園への往診も行う。現在はモンゴル健康科学大学 歯学部 客員教授。

渡邊昌(わたなべ・しょう)
1941年、平壌生まれ。医学博士。慶應義塾大学医学部卒。同大学院病理学専攻、アメリカ国立癌研究所、国立がんセンター病理部を経て、同疫学部長。その後、東京農業大学教授、国立健康・栄養研究所理事長を歴任し、現在は、公益社団法人生命科学振興会理事長として専門誌「ライフサイエンス」「医と食」を主宰。一般社団法人統合医療学院学院長、NPO法人日本綜合医学会会長も務める。これまでに厚生科学審議会、内閣府食育推進評価専門委員会座長など政府の各種審議会委員を歴任。
  • 2021年11月18日 15時26分更新
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