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【免疫力UP情報】カミカミおもしろ健口学⑥

【免疫力UP情報】
昨今、世間を騒がす新型コロナウイルス。
こちらのコーナーではコロナに負けない身体づくりのための情報を、
過去のむすび誌や正食出版発行書籍から抜粋してご紹介致します。
第20弾は「むすび誌2017年4月号」特集「医と食 健康フォーラム」より岡崎好秀氏の講演をご紹介します。(全6回)。
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離乳食を口の中に入れてあげてはいけない
 岡崎氏は、日本顎咬合学会のホームページ(http://kokumin.ago.ac/)の公開動画を会場で流しました。
 四歳児が、スプーンの中の食べものを食べようとしますが、下唇の上に載せられたスプーンから、上手に口の中に入れることができません。舌を使って食べものを取りにいこうとする子もいます。
 上唇が動かず、唇を伸ばそうというそぶりがないので、食べものをとらえることができないのです。
 「上唇が動かないのは、離乳食を与えるときから、親が離乳食を口の中に入れてあげているため。取らせようとしていないんですね。取らせようとしていたら、唇が動くようになります。それがないから上唇が動かない。こうしたこともどんどん口呼吸につながっていきます」
 一方、小さい頃から骨付き肉を食べ慣れてきたモンゴルの子どもたちは、唇に力を入れて微妙に動かすということを日常的にしてきたこともあり、みんな口を閉じているそうです。
 「咀嚼は奥歯で噛むこと。咀嚼の前には実は捕食があります」と岡崎氏。捕食とは、食べものをとらえることです。そのためには、唇や舌をよく動かし、かじろうとすれば前歯も動員します。
 生野菜を食べるときは太いスティック状にする、カレーの具は大きくする、といった工夫をすれば、自然と前歯を使うようになり、すると奥歯で噛む回数も増える、と説きました。

「フー」ができない口呼吸の子はロウソクの火を消せない
 まずは鼻呼吸の利点から。
 モンゴルのように、外気温がたとえ氷点下四〇度だったとしても、鼻から吸った冷たい外気は、鼻の中に張り巡らされた毛細血管により、体温近くまで瞬時に温められて肺に送られます。
 さらに、鼻の中では、口の中のだ液と同じように、水分が分泌されており、外気に湿り気を与えます。肺は寒さだけでなく、乾燥にも弱いからです。
 冬に流行するインフルエンザは乾燥を好み、湿気に弱いので、鼻呼吸をしていればインフルエンザにかかりにくくなります。
 「鼻で呼吸するのは、天然のマスク」というわけです。
 逆に、口呼吸の場合は、加温や加湿されることなく、直接インフルエンザウイルスが肺にまで届いてしまいます。
 「口呼吸にはほかにもいろんな問題があります」と前置きして、岡崎氏が紹介したビデオは、来場者に大きな衝撃を与えました。
 ふだん口呼吸をしている子どもが、ロウソクの火を吹き消そうとするシーンです。ロウソクに向かったその子は、口をすぼめて「フー」と息を吐くのではなく、口を「ハー」の形に開けたまま、息を吹きかけていたのです。当然、ロウソクはなかなか消えません。
「フー」ができないくらい、口を閉じるのが苦手なのです。

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岡崎好秀(おかざき・よしひで)
1952年大阪府生まれ。専門は小児歯科・障がい児歯科・健康教育。
動物の歯にも造詣が深く、動物園への往診も行う。現在はモンゴル健康科学大学 歯学部 客員教授。
  • 2021年08月06日 11時53分更新
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