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【免疫力UP情報】現代に生きる身土不二④

【免疫力UP情報】
昨今、世間を騒がす新型コロナウイルス。
こちらのコーナーではコロナに負けない身体づくりのための情報を、
過去のむすび誌や正食出版発行書籍から抜粋してご紹介致します。
第19弾は「むすび誌2017年12月号」より特集「現代に生きる身土不二」をご紹介します。(全4回)。
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【胃がん】
喫煙者も死亡率が低くなる
 過剰な塩分が原因で胃がんのリスクは高まります。
 それは高濃度の塩分が胃の粘膜を破壊し続けていると、胃液の出が悪くなって酸性度が下がり、増殖した細菌が食品やだ液と反応して、ニトロソアミンという発がん物質が発生するからです。
 ということは、味噌汁を一日に3杯も飲んでいれば、胃がんのリスクを増やすことになるのではと思われるかもしれません。
 ところが、味噌汁を毎日飲んでいる人は、「めったに飲まない」人に比べ胃がんによる死亡率が低いのです。それは喫煙者でも同様という結果も出ています。

【肝がん・早期前立腺がん・大腸がん】
大豆にも大腸がん予防効果が
 マウスを使った実験では、発がん物質を投与しつつ、通常の餌を食べた群に比べ、味噌群の肝腫瘍の発症数は半分ほどでした。
 肝腫瘍の抑制効果は、味噌に限らず、大豆食品全般に見られます。
 国立がんセンター研究所の調査によると、前立腺がんのうちの初期の限局がんになるリスクは、一日に味噌汁を2杯以上飲んでいる人が、1杯未満の人よりも35%も低いことがわかりました。
 大腸がんでは、前がん病変(がんになる確率が高い組織の異常)とがんの成長をともに抑制する効果のあることが、動物実験で確認されています。
 味噌のほかにも、もやし、豆乳、大豆に大腸がんの予防効果があるようです。


熟成の進んだものが効果的
 どに効果が期待できる味噌ですが、「味噌汁は医者殺し」などのことわざが伝わるほどのパワーをもつ味噌の数々の効能は、渡邊さんによると、やはり昔ながらの熟成度の進んだものの方が、よく発揮されるようです。
 例えば、放射線防御作用は、2年熟成の味噌でもっとも高い効果が得られました。
 ただし、そのほかの脳卒中やがんの抑制については、6か月ほど熟成させた味噌がいちばん効果的だったということです。
 以上のように、たくさんの栄養素が含まれる味噌にはさまざまな効能があり、中には科学的にはまだはっきりと確認されていない有益なはたらきもありますが、渡邊さんは「味噌は少なくともからだに大きな害がもたらされる食べものではないので、食べておいて損はありません」と話します。

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渡邊敦光(わたなべ・ひろみつ)
1940年福岡県生まれ。熊本大学理学部卒、九州大学大学院博士課程理学研究科修了。理学博士、医学博士。1973年広島大学原爆放射線医科学研究所で助手、助教授を経て1996年教授。その間アメリカ ウイスコンシン大学、イギリス パターソン研究所で主に放射線生物学の研究を重ね、2004年退官後も名誉教授として日々研究を続けている。
専門は実験病理学と放射線生物学で、幹細胞に興味を持ち、長年にわたり、がんがどのように生まれ進展するか、どうすれば予防できるかの研究を続けている。一方で1980年から、味噌の有効性について動物実験に基づく研究を本格的に始める。どちらのテーマについても論文、講演での発表は多い。
  • 2021年06月17日 11時27分更新
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