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【免疫力UP情報】現代に生きる身土不二②

【免疫力UP情報】
昨今、世間を騒がす新型コロナウイルス。
こちらのコーナーではコロナに負けない身体づくりのための情報を、
過去のむすび誌や正食出版発行書籍から抜粋してご紹介致します。
第19弾は「むすび誌2017年12月号」より特集「現代に生きる身土不二」をご紹介します。(全4回)。
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脳の大出血は高食塩群のみ
 さらに、脳卒中を起こしたラットを解剖したところ、高食塩群と味噌群では、脳の出血の状態にも差がありました。
高食塩群で、肉眼ではっきりと確認できる大出血斑が見られたのに対し、低食塩群と味噌群では大出血斑はゼロでした。
ただし、顕微鏡でやっとわかる小さな出血は、低食塩群よりも味噌群の方に多数が確認され、高食塩群になるとさらに増えました。
「味噌群では脳の血管が少し詰まっていますが、高食塩群の方が血管の詰まりが大きいといえます」と渡邊さん。

腎臓の食塩の害も味噌が抑制
 食塩の害を受けやすいのは腎臓です。
 腎臓には、糸球体と呼ばれる毛細血管の塊があります。血液をろ過して尿をつくる大事なところですが、高食塩群では糸球体がほとんど消えていました。また、動脈の壁がかなり肥厚するなどして、腎臓に大きな障害が生じていました。
味噌群でも、腎皮質のタンパク沈着などの異常は見られましたが、低食塩群と同じくらいの軽度でした。
 渡邊さんは「(食塩による)脳の障害と腎臓の障害を味噌がちゃんと抑えていることがわかりました」と話します。

日本人に多い食塩非感受性
 実験に使用したSHRSPラットは、高血圧を自然発症させるラットを何代も掛け合わせることで、血圧が上がるとともに脳卒中を起こしやすくさせた特別なラットです。
 人間の場合も「食塩をたくさん摂るほど血圧が上がる」と思われがちですが、実はそうとは限りません。
 食塩を摂取すると血圧がすぐに上がる食塩感受性の人と、食塩をいくら摂取しても上がらない食塩非感受性の人がいるのです。
 その割合は、渡邊さんによると「日本人は感受性の人が3分の1で、非感受性が3分の2」といいます。
 塩分を摂って血圧が上がる人の方が少数派なのです。
 「(多数を占める)非感受性の人にいくら『減塩しましょう』と言っても、あまり意味がありません。減塩で意味があるのは、感受性の人。だから誰でもかれでも『減塩を』というのはちょっとおかしいのでは」
 漬物や醤油とともに、高血圧の〝主犯〟として、減塩運動を推進する栄養士らに目の敵のようにされてきた味噌ですが、「塩だけに、まさにエン罪(冤罪)」と、渡邊さんは冗談交じりに訴えます。

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渡邊敦光(わたなべ・ひろみつ)
1940年福岡県生まれ。熊本大学理学部卒、九州大学大学院博士課程理学研究科修了。理学博士、医学博士。1973年広島大学原爆放射線医科学研究所で助手、助教授を経て1996年教授。その間アメリカ ウイスコンシン大学、イギリス パターソン研究所で主に放射線生物学の研究を重ね、2004年退官後も名誉教授として日々研究を続けている。
専門は実験病理学と放射線生物学で、幹細胞に興味を持ち、長年にわたり、がんがどのように生まれ進展するか、どうすれば予防できるかの研究を続けている。一方で1980年から、味噌の有効性について動物実験に基づく研究を本格的に始める。どちらのテーマについても論文、講演での発表は多い。
  • 2021年06月07日 12時48分更新
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