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【免疫力UP情報】子どもたちの脳とからだをつくる⑥

【免疫力UP情報】
昨今、世間を騒がす新型コロナウイルス。
こちらのコーナーではコロナに負けない身体づくりのための情報を、
過去のむすび誌や正食出版発行書籍から抜粋してご紹介致します。
第18弾は「むすび誌2017年2月号」より小崎孝子氏のインタビューをご紹介します。(全6回)。
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6歳までに養いたい味覚教育 嫌いなものも仲間となら平気
 育ちとしつけの臨界期は、三歳のほかは、六歳と九歳にあると、小崎さんは考えています。
 六歳までに養っておきたいのは、善悪の判断、友達の存在への気づき、命への気づき、協調性と自立性、そして味覚教育です。
 小さい頃から、ファストフードや冷凍食品など加工品の多い食事では、化学調味料や添加物の味に慣らされてしまい、食べものの危険度を察知するためにも必要な、苦い・酸っぱいなどの味覚の違いがわからなくなってしまいます。
 著書で小崎さんは、「子どもはカレーライス、スパゲッティ、ハンバーグ、ピザが好きで和食を好まないなどというのは、大人側が勝手に思い込んでいるだけのこと」としています。
 その上で、「だしをきちんと取り、野菜や乾物を丁寧に煮て、食材の旨みが引き立つ伝統和食の美味しさを教えてあげれば、子どもたちは喜んでたくさん食べます」。
 最初は、嫌いなおかずを「いらない」と食べない子どもでも、幼稚園で仲間たちが食べているのを見るうちに「いっしょに食べてみようかな」という気になり、食べ始めるようになるということでした。
 実際に、翌日の幼稚園での取材では、ある一人の園児が、時間はかかるものの、三分づきのごはんと野菜いっぱいの給食を黙々と食べる姿を目のあたりにしました。
 実はその子は自閉症傾向があり、園に来るまでは家でお菓子しか口にせず、ごはんさえまともに食べていなかったと教えられました。最近は、それまで出なかった言葉が出るようになったとも聞きました。
 幼い子は、ほかの子の障害の有無をまったく気にしません。給食時間だけでなく、外遊びなどでともに遊び回ることで、生きることに積極的になっていったのだと想像されました。
 それが、小崎さんの言う「子ども同士の育ち=集団教育の力」なのだと、まざまざと実感されたのでした。

乳児は肌を、幼児は手を離すな 「1歳までは家庭で保育を」
 臨界期の話とともに、小崎さんが強調するのが「子育て四原則」です。
 乳児は肌を離すな
 幼児は手を離すな
 児童は目を離すな
 青年は心を離すな
 とくに一歳未満のゼロ歳児については、「肌を離すな」とあるとおり、「赤ちゃんは最低1年間は母親と肌を離してはいけないのです」と著書で説きます。
 野生動物の赤ちゃんは、生まれ落ちてすぐに立って歩くようになりますが、「生理的早産」といわれる人間の赤ちゃんはそうではありません。
 一年早く未熟な状態で生まれてきたため、始終泣いてお母さんを呼んでいます。そんなときに生後三か月で保育園に預けられてしまうと、毎日不安にかられてしまうと、小崎さんは話します。
 保育園でなかなか赤ちゃんの要求に対応できないでいると、生後二か月くらいから表情や動作でさまざまな思いを伝えようとした赤ちゃんは、そうした表現をしなくなり、感情表現に乏しい「サイレントベビー」になってしまうことが指摘されています。
 そんなサイレントベビーが成長すると、周囲とのコミュニケーションが苦手になり、引きこもりや自傷行為を繰り返すなどの問題を引き起こす可能性が高くなるそうです。
 とはいっても、現実にはいろいろな家庭の事情や制度などで難しい面もありますが、小崎さんは「国や社会は、子育てをしているお母様の苦労を高い価値として捉え、国の未来の宝を育てる偉大な存在としてその地位を認めるべきです」(著書より)と訴えています。
 一歳まで家庭保育がしっかりできれば、二歳からは集団の中でさらに育ちます。
 幼稚園にはふつうは三歳の春から入園しますが、ふたば幼稚園では、家庭事情も考慮して、二歳児から受け入れています。




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小崎孝子(こさき・たかこ)
1947年福岡県福岡市志賀島生まれ。近畿大学九州短期大学保育科卒業。学校法人、ふたば幼稚園理事長。志賀島保育園園長。平成9年に有害紫外線対策の“サン・カット帽子”をオーストラリアから取り寄せ、いち早く導入し環境省のマニュアルに掲載される。平成12年より伝統和食を基本とした「真の食育」活動に取り組むなど、子どものための保育を追及。平成18年度より福岡女子大学や下関市立市民病院の小児科医らとともに「子どもの食育を考える会」を立ち上げ、家庭における食事調査・健康調査・生活調査などを通して和食効果を研究。平成27年度から広島大学大学院教育学科の七木田敦教授らとともに『遊びの保育を通した子供の運動力』についての共同研究を開始。平成16年農林水産省による「地域に根差した食育コンクール」での特別賞受賞を皮切りに、食育、農業、環境教育関係など数々の賞を受賞。日本の伝統食を給食に取り入れ、子どもの自由を保障した遊びつくす保育を徹底することで、発達障害、自閉症、アトピーの子らを改善に導き、「奇跡の幼稚園」として、テレビ、新聞、雑誌などで多数取り上げられる。子どもの健やかな育ちのための「食育と遊び」について、全国各地で講演会を行っている。
  • 2021年05月20日 11時58分更新
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