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【免疫力UP情報】子どもたちの脳とからだをつくる④

【免疫力UP情報】
昨今、世間を騒がす新型コロナウイルス。
こちらのコーナーではコロナに負けない身体づくりのための情報を、
過去のむすび誌や正食出版発行書籍から抜粋してご紹介致します。
第18弾は「むすび誌2017年2月号」より小崎孝子氏のインタビューをご紹介します。(全6回)。
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「育ちとしつけには臨界期がある」

島のあちこちで外遊びに夢中 仲間らとのびのび全身運動
 子どもたちの健全な心身を育むための食の取り組みについては、およそわかっていただけたかと思います。
 次に「遊び」。ふたば幼稚園では、四季をつうじて、園児たちが島のあちこちで外遊びを楽しみます。
 講演では、段ボールをそり代わりにして、歓声を上げながら草の茂った斜面を滑る様子が、まず映し出されました。何人かがいっしょになって一つの段ボールで滑っていきますが、中にはたった一人で立ったままスケートボードのように乗りこなす園児も。
 小崎さんによると、いまの子どもたちのほとんどは、まっすぐに手を伸ばして段ボールの端をしっかりと握る、そして中腰の姿勢になる、ということができないそうです。「とても子どもたちのからだが退化してしまっています」と嘆きます。
 「草スキー」と呼ぶ単純な遊びですが、子どもたちは段ボールをしっかりと握り、バランスを取りながら滑り、下まで行ったら段ボールを持って上まで上がっていくという、全身運動を知らず知らずのうちにしています。
 次のスライドでは、子どもたちは木の枝から伸びたロープにつかまり、ユラユラ。下は沼ですが、草スキーなどで握力がついている子どもたちは、「ターザンごっこ」で落ちることはありません。
 そして夏になると、海辺で磯遊び。
 園児たちが履いているのは、昔ながらのゴム草履。最近のサンダルはかかとの部分にひもなどが付いていることが多く、ゴム草履を履かせると最初はスッポンスッポンと脱げてしまうそうです。
 そこで子どもたちは自然と足に力を入れるようになり、するとゴム草履は脱げることがなくなってきます。

事前階にいて培われる第六感 本能的に身を守る術も習得
 小崎さんは言います。
 「文科省は、五感を育てましょうとよく言います。見る、聞く、味わう、匂う、触れるという五感は、ふつうの生活で育ちます。ところが、今の子どもたちに育ってないのが、第六感です。感じる心。これは、私たち教師や親や大人が教えてあげられるもんじゃないんです。これを教えてくれるのが、こういった自然界なんです」
 自然相手の遊びでは、岩場で足を擦ったり、転んでけがをすることもあります。けれども子どもたちは、血が出ても「痛い」とは言わないそうです。
 「『痛い』と言って、『もう幼稚園に帰ろうか』って言われたくない。遊びたいんです。そう言いながら、私も内心はハラハラ、ドキドキですよ。でも、子どもたちもけがをしたくない、命が大事なので、本能的に身を守るすべを習得します。子どもたちの遊びは、ごはんと同じように、育ちの中にとってとても大切なことなんです」

お稽古事より安全な食品を 給食時は一転して静かに
 お稽古事や塾などではなく、自然や仲間たちとふれ合いながら思い切りからだを動かすことが、「子どもにとっての英才教育」と小崎さんは言います。
 また、保護者には「塾とかお稽古事にかける余裕があったら、基礎食品の米や味噌、醤油、塩、こういったものには絶対安全なものをお使い下さい。塾に行かせるより、すばらしい知恵のあるお子さんに育ちますよ」と、さり気なく伝えているそうです。
 もちろん幼稚園では、例えば、母親たちも協力する梅干しづくりで使っているのは、値段の張る天然塩です。「うちの子どもたちは日本一高価なものを食べてますよ」という小崎さんの話は、決して大げさではありません。
 外遊びや園庭で元気に駆け回る子どもたちですが、給食の時間になると、一転して静かに。
 配膳されるのをじっと待ち、給食当番の園児の呼びかけに答えたり、給食の歌を歌う以外は、私語は皆無といっていいほどです。食べ始めると、ニコニコしながら勢いよく頬ばりますが、箸が食器に当たる音や咀嚼する音だけが教室に響きます。
 遊びの「動」に対するそんな「静」のメリハリのある風景は、給食時間だけでなく、職員が園児たちに話をするときにも見られます。
 「よその園の先生方が驚かれるのが、子どもたちの集中力なんです。『ほら、座んなさい。先生、お話しするよ。お口チャック』って言わなくてもいいんです。先生が前に立ってお話を始めると、ちゃんと先生の方を向いてお話が聞ける。うちは決して命令したり、強制したりしません。だけれども、集団教育としての規律、お約束事、決まり事、こういうことはきちんと教えていきます」

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小崎孝子(こさき・たかこ)
1947年福岡県福岡市志賀島生まれ。近畿大学九州短期大学保育科卒業。学校法人、ふたば幼稚園理事長。志賀島保育園園長。平成9年に有害紫外線対策の“サン・カット帽子”をオーストラリアから取り寄せ、いち早く導入し環境省のマニュアルに掲載される。平成12年より伝統和食を基本とした「真の食育」活動に取り組むなど、子どものための保育を追及。平成18年度より福岡女子大学や下関市立市民病院の小児科医らとともに「子どもの食育を考える会」を立ち上げ、家庭における食事調査・健康調査・生活調査などを通して和食効果を研究。平成27年度から広島大学大学院教育学科の七木田敦教授らとともに『遊びの保育を通した子供の運動力』についての共同研究を開始。平成16年農林水産省による「地域に根差した食育コンクール」での特別賞受賞を皮切りに、食育、農業、環境教育関係など数々の賞を受賞。日本の伝統食を給食に取り入れ、子どもの自由を保障した遊びつくす保育を徹底することで、発達障害、自閉症、アトピーの子らを改善に導き、「奇跡の幼稚園」として、テレビ、新聞、雑誌などで多数取り上げられる。子どもの健やかな育ちのための「食育と遊び」について、全国各地で講演会を行っている。
  • 2021年05月08日 15時02分更新
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