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【免疫力UP情報】腸荒れはなぜ引き起こされるのか?③

【免疫力UP情報】
昨今、世間を騒がす新型コロナウイルス。
こちらのコーナーではコロナに負けない身体づくりのための情報を、
過去のむすび誌や正食出版発行書籍から抜粋してご紹介致します。
第5弾は「むすび誌2019年3月号」~「むすび誌2019年8月号」までの連載より「腸荒れはなぜ引き起こされるのか?(岡部賢二∥作)」の記事です(全6回)。
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腸荒れ起こす悪玉菌 一方で大切な働きも
 大腸内に棲息する腸内細菌は、大きく分けて善玉菌と悪玉菌、日和見菌の3つに分類することができます。その理想的な割合は、善玉菌2:悪玉菌1:日和見菌7と言われています。
 腸荒れの原因となるのは、腐敗菌である悪玉菌の増加です。
悪玉菌が作り出すインドールやスカトール、フェノール、硫化水素、アンモニア、アミンといった窒素酸化物や硫黄酸化物によって、腸壁がただれるような状態が引き起こされます。
 しかし悪玉菌がすべて悪いかというとそうでもなくて、実は善玉菌にはできない大切な働きをしています。
それは分子量の大きなタンパク質や脂質の分解です。
 ファーストフードや、ご馳(ち)走といわれるものには、油脂やタンパク質が多く含まれています。
特に戦後、体に良いからと肉や卵、乳製品、揚げ物や炒め物の摂取量が増加し、それとともに腸内の悪玉菌も増えてきました。
 したがって、悪玉菌を攻撃するよりも、悪玉菌を必要としない食生活に戻すことが根本的な対策になります。


乳製品が苦手な日本人
 最近耳にするリーキーガット症候群のような腸荒れは、高脂肪・高タンパクの動物性食品、中でも乳製品によって引き起こされやすいということがわかってきました。
 なぜなら、液状の牛乳の場合、カゼインというタンパク質が胃で分解されず、素通りして腸に流れ込んでくるからです。
 特に日本人は、乳製品を摂取してきた歴史が浅いため、乳製品を分解する遺伝子情報がなく、90%近くの人は牛乳を飲むとお腹がゴロゴロします。

グルテンフリー実践者 米国で700万人超
 また、植物性のものにも腸荒れを起こしやすいものがあり、それが近年消費量が激増している小麦粉です。
 小麦粉に含まれるグルテンは分子量が非常に大きく、牛乳のカゼインの分子量が2万3600Da(ダルトン)とすると、グルテンは4万~数百万Daというとてつもない大きさです。これが腸に流れ込んでくると、腸壁の免疫細胞は異物が入り込んできたと判断し、総攻撃をしかけます。そして、免疫との激戦が繰り広げられた結果、腸壁は焼け野原状態になってしまいます。
 小麦粉の中でも、強力粉といわれるグルテンの多いもの、さらに遺伝子組み換えされた(海外から輸入された)ものほど腸に害が出やすいようです。
 近年、アメリカでは小麦粉製品のグルテンでアレルギーを引き起こすセリアック病が増え、アメリカ人の100人に1人がこの病気にかかっていると言われています。
 そこで小麦粉製品を食事から外したグルテンフリーを実践する人が700万人を超えています。
実際、日本でも過去に小麦粉製品を過剰に摂取していた方にアレルギーが多く見られます。

大腸に届くオリゴ糖がビフィズス菌増やす
 小麦アレルギーなどの対策としては、腸内環境の改善です。
 発酵菌である乳酸菌は善玉菌と呼ばれていて、腸内環境を良くすることで知られています。この善玉菌が最も喜ぶエサがブドウ糖(でんぷん質)です。
 ところが白米や白砂糖、精白小麦粉の場合、そのほとんどが小腸で吸収されてしまい、腸内細菌の宝庫である大腸まで届きません。
そこで不消化な食物繊維を含む玄米や雑穀、全粒粉のような食物(多糖類)が必要となります。
 オリゴ糖が体に良いと言われているのは、単糖が2個から10個結合した多糖体のため、小腸では吸収されずに大腸に届き、大腸内のビフィズス菌を増やすからからです。
 オリゴ糖はゴボウや大根、玉ネギ、大豆に豊富に含まれているので、みそ汁にそれらの野菜を入れて食べれば、腸内環境が整います。甘酒の甘味にもオリゴ糖が含まれています。

食物繊維で腸を整える
 食物繊維は別名「難消化性多糖類」とよばれ、人間の酵素では分解できません。
 穀物の皮にはセルロース、果物にはペクチン、根菜類にはリグニン、海藻にはアルギン酸といった食物繊維が豊富に含まれています。
 昔から腸の砂出しに活用されてきたコンニャクにはグルコマンナン(水溶性食物繊維)が、キノコにはベータグルカン(多糖体)が含まれています。葛(くず)粉に整腸作用があるのも、難消化性デンプンだからです。
 腸内細菌は、これらの食物繊維を原料に、人体に必要なビタミンだけでなく短鎖脂肪酸の合成をしてくれます。
この短鎖脂肪酸には、雑菌やウイルスの繁殖を防ぎ弱酸性の腸内環境を作る、発がん物質の抑制をする、ミネラルの吸収を良くする、肥満や糖尿病の予防、食欲の抑制、免疫機能の調整といった優れた作用があることがわかっています。
 まずは、高脂肪・高タンパク・高糖分の欧米食から、低脂肪・低タンパク・高デンプン・高食物繊維である伝統的な和食に切り替えましょう。きっと、腸内細菌が喜ぶはずです。

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岡部賢二(おかべ・けんじ)
大学在学中に渡米し、肥満の多さに驚いて「アメリカ社会とダイエット食品」をテーマに研究。日本の伝統食が最高のダイエット食品と気づいた後、正食と出会う。正食協会講師として活躍後、2003年、福岡県の田舎に移り住み、日本玄米正食研究所を開設。2005年にムスビの会を発足させ、講演や健康指導、プチ断食セミナーやマクロビオティックセミナーを九州各地で開催している。正食協会理事。著書は「マワリテメクル小宇宙~暮らしに活かす陰陽五行」(ムスビの会)、「月のリズムでダイエット」(サンマーク出版)、「心とからだをきれいにするマクロビオティック」(PHP研究所)、「家庭を内部被ばくから守る食事法」(廣済堂出版)、「からだのニオイは食事で消す」(河出書房)、「ぐずる子、さわぐ子は食事で変わる!」(廣済堂出版)