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【免疫力UP情報】味噌は世界のスーパーフードより渡邊敦光さん①

【免疫力UP情報】
昨今、世間を騒がす新型コロナウイルス。
こちらのコーナーではコロナに負けない身体づくりのための情報を、
過去のむすび誌や正食出版発行書籍から抜粋してご紹介致します。
第4弾は「むすび誌2019年6月号」「味噌はスーパーフード」より、渡邊敦光さんの記事をご紹介します。(全2回)

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半年〜2年間熟成に効能

広島大学名誉教授の渡邊敦光さんは、平成の幕開けとともに味噌の研究を始めました。
以来30年にもわたり、仲間とともに地道な実験を積み重ね、「味噌に含まれる塩分は血圧を上げない」ことなどを立証しました。
現在も広島大学で研究生活に没頭する渡邊さんが「味噌の効能」をテーマに合同講義で披露したお話をまとめました。

1300年も愛されてきた

 日本人と深い関係のある味噌は、渡邊さんによると、1300年も前から食べられてきました。
 保存や携帯にもすぐれた味噌は、戦国武将にも好まれ、豊臣秀吉は高額で農民から買い取った味噌を兵隊に与えました。
 「兵隊たちは腰に味噌玉をぶら下げて戦をしました。お腹が空いたら、陣笠に水を入れて味噌玉を溶けば、味噌汁ができる。味噌は大事な武将の糧(かて)だったのです」
 また、城の壁に味噌を塗り、籠(ろう)城した人びとが壁を食べて飢えをしのいだ、というエピソードも伝えました。
 味噌の効能は昔からよく知られ、「江戸時代の『本朝食鑑』には、便通をよくする、元気が出る、血をつくり血行をよくする、お酒の毒を防ぐ、血圧を抑える、からだをつやつやさせる、痛みを止める、吹き出物などを防ぐ、食欲をそそる、発熱を下げる、寒気を温める、気性の強い人を和らげ、弱い人は盛んにする、せっかちな者は緩やかにするなど、まさにすべてに効果があるように書いてあります」。
 「味噌が1300年も続いているのは、非常にいいものだったからだと確信しています」と渡邊さん。
 一方、それほど日本人に愛されてきた味噌汁=「おみおつけ」が、第六版の広辞苑までは「御御御付」と表記されてきたのに、新しい第七版で「御味御付」になったしまったことを嘆きました。

肺や胃、大腸などのがんに

 肺がんというと、喫煙が大きな原因です。
  「『癌(がん)』という字は、三つの口の病と書きます。食べすぎ、飲みすぎ、もう一つはタバコの吸いすぎです」
 実際、アメリカの調査では、第一次世界大戦中から男性の喫煙者が増えると、その20年後に肺がんが増えています。
女性は、第二次世界大戦後のウーマンリブを機に吸い始めると、同じように20年後に肺がんが増えました。
 ところが、日本人を対象にした研究で、味噌汁をよく飲む人ほど、喫煙者・非喫煙者ともに肺がんによる死亡率が低下することがわかっています。
 渡邊さんらが、発がん物質を与えて肺腫瘍(腺がん)をつくったネズミに味噌を与える実験をしたところ、ふつうのエサと発酵初期の味噌を与えたネズミより、ふつうのエサと半年熟成した味噌を与えたネズミの方が、がんの抑制に効果があることがわかりました。
 「肺がんのうち、扁平上皮がんはタバコが原因のがんで、腺がんは化学物質でできるがんです。
熟成した味噌だったら、腺がんが減ってきます。熟成というのがものすごく大事なんです」
 実は、熟成した味噌が有効というのは、ほかの多くのがんにも共通しています。
 講演で渡邊さんが挙げたのは、胃がん、大腸がん、肝臓がん、前立腺がんでした。

10年熟成の効果はゼロ

 放射線防御作用についても、熟成した味噌が効能を発揮します。
 長崎の爆心地そばで被爆した秋月辰一郎医師は、職員や患者らと味噌汁と玄米のおにぎりを食べ続けて診療に励み、その後も原爆症になることはありませんでした。
 広島の原爆地でも、大手味噌メーカーの当時の関係者が、被爆した家族を探すために入市被爆したものの、焼け残った味噌を食べ続けた結果、やはり戦後も元気に暮らして長寿をまっとうしました。
 そうした体験を知ったことで、渡邊さんたちは本格的な味噌の研究に乗り出しました。
 注目したのは、「三日半で生まれ変わる」といわれるほど細胞分裂の盛んな小腸です。
強い放射線を浴びるほど、小腸では新しい細胞を生み出すことができなくなります。
 一週間、味噌入りのエサを食べたネズミに高レベルの放射線をあて、その三日半後に解剖すると、放射線照射後も新しい細胞をつくり続けたのです。
 一方、ふつうのエサを与えられたネズミと、味噌と同じ濃度の食塩入りのエサを与えられたネズミは、味噌入りのエサのネズミほどには、新しい細胞を生み出すことはできませんでした。
 しかも、味噌入りのエサの方が、照射後も長生きしたのです。
 実験は熟成期間の違う味噌を使っても行われ、2年熟成の味噌がもっとも効果が高く、次いで5年熟成で、10年熟成になると効果はゼロでした。
 がんの抑制でも、味噌の種類がかかわらず、半年〜2年間熟成のものがいちばん効果があるそうです。
 放射線防御作用の利用法として、「CTスキャン検査を受ける際に、検査の一週間前ぐらいから半年〜2年間熟成の味噌を食べて、検査後も味噌を食べ続ければ、(がん発症のリスクが高まるともいわれる)放射線障害を抑えられるのでは」と渡邊さん。


※講演で示された味噌の効能。疫学的には肺がんに対して味噌の効能は認められていないため、効能は「なし」になっているが、動物実験では効能が認められ、渡邊さんは肺がんも予防できると考えているという(渡邊さんの資料より)。

味噌は世界のスーパーフードより渡邊敦光さん②へ

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渡邊敦光(わたなべ・ひろみつ)
1940年福岡県生まれ。広島大学名誉教授。理学博士。医学博士。熊本大学理工学部卒業、九州大学大学院博士課程理学研究科修了。広島大学原爆放射線医科学研究所で助手、助教授を経て、1996年教授に。2004年から名誉教授。この間、米国ウィスコンシン大学客員教授、英国パターソンがん研究所客員研究員も務める。著書は『味噌力』(かんき出版)、『味噌をまいにち使って健康になる』(キクロス出版)、『味噌大全』(監修、東京堂出版)。