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【免疫力UP情報】なぜ日本人には伝統和食が合うのか③

【免疫力UP情報】
昨今、世間を騒がす新型コロナウイルス。
こちらのコーナーではコロナに負けない身体づくりのための情報を、
過去のむすび誌や正食出版発行書籍から抜粋してご紹介致します。
第2弾は「むすび誌2017年9月号」より「なぜ日本人には伝統和食が合うのか」をテーマにした
奥田昌子さんへのインタビュー記事です。(全5回)

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【日本人にふさわしい食生活は?】
―それでは次に、そうした体質の特徴を踏まえ、日本人の望ましい食生活などについてうかがいたいと思います。

粒を丸ごと食べる玄米や雑穀で食物繊維UP!
 いろいろと日本人の体質の特性を見てきた中で、全体として考えますと、胃がんは多かったものの、糖尿病をはじめとする生活習慣病や大腸がん、乳がんなどは、ほとんどないというくらい少なかったのです。
 ところが、1960年代になると、会社でデスクワークに就く人が増え、車が普及して運動不足になり、それと同時に欧米の食品がどんどん入ってきました。お肉とか乳製品ですね。その陰で、お米や魚、大豆の摂取量がどんどん減っていきました。
 日本人は胃も腸もお米を食べるようにできていると言いましたが、お米の摂取量が半分ぐらいまで少なくなって、いろんな弊害が出てきました。
 その一つが、食物繊維の摂取が減ってしまったということです。

食物繊維が善玉菌のエサに

 実際、食物繊維の摂取量は終戦直後の3分の2ぐらいになっています。その内訳を見ますと、ちょっと意外なことに、穀物以外の野菜やお芋、海藻などから摂る食物繊維は、昔とほとんど変わらず摂れています。
 その一方で、穀物から摂る食物繊維の摂取が減っています。(図3参照)

―ごはんを食べなくなったからですね。

そうです。
 食物繊維は、血糖値の上昇を防いだり、余分なコレステロールをいっしょに絡め取って体外に排出してくれますので、脂質異常症(高脂血症)や生活習慣病の予防にも役立ちます。
 日本人は腸内環境が非常にきれいだという話をしましたが、善玉菌のエサになる食物繊維を十分に摂っていたという背景があったからだと思います。
 そこで、穀物の摂取が減るのをくい止めたい。それも、完全に粉にしてしまう小麦を使ったパンなどよりは、粒を丸ごといただくごはんがよい。できれば、玄米や雑穀をできるだけ取り入れていただくことが大事だと思います。


【図3】 食物繊維の摂取量が減ったのは、ごはんを食べなくなったから

肉や乳製品よりは青魚、さらに有酸素運動
 
そして、次は内臓脂肪の問題です。
 内臓脂肪がつく原因は、まず脂肪の摂取です。お肉や乳製品は、どちらも脂肪がしっかり入っています。からだに良い面もありますが、現状で十分に摂れていますので、これ以上は増やさない。できればちょっと抑え気味にしていただく方がいいだろうと思います。
 そして、そのぶんをお魚に振り向けて下さい。同じ日本人でも、お魚をしっかり召し上がっている人は、少ない人に比べて、心筋梗塞の発症率がさらに3分の1になる、ほとんどもう起きないと言っていいくらい限りなく少なくなる、という調査結果があります。
 EPAとDHAが多いのは、アジやイワシ、サンマ、サバなどの青魚です。

―近海魚ですね。マグロとかではなくて。

 そうです。昔から日本人が食べてきた魚が、結果的に非常によかったということなんです。マグロとかサーモンとかは、EPAやDHAが非常に少ないんですね。

果物は中性脂肪増加の作用も

 
青魚を中心に、ジャコでもいいので、週に3日は食べて下さいということを、よく申し上げています。あとの日はお肉を食べていただいてかまいません。週にお肉が2〜3日、お魚が3〜4日ぐらいでやっていただけるといいかなあと思います。
 そうすれば、通常の健康な人であれば、サプリメントを飲む必要はまったくありません。
 最近は、青魚が認知症の発症を抑えるというデータも出始めています。
 また、ごはんを食べる量が減ったぶん、脂肪の摂取が増えたこともあると思います。例えばパンは作るときにバター、牛乳を入れるだけでなく、おかずもベーコン、オムレツ、ハンバーグと、やはり油を使います。パスタもそうですね。
 それと、歩いたり、自転車に乗る、水泳をするといった、ついた脂肪を燃やしてくれる有酸素運動をしっかりしていただくことです。
 昔の人は、なんと言ってもよく歩いていました。それで自然に、ちょっと食べすぎてもちゃんと燃やして、からだに脂肪がつくことがなかったわけです。
 さらに、アルコールや果物は、それ自体は油を含んでいませんが、アルコールや果物に含まれる成分がからだの中で中性脂肪を増やす作用があります。やはり飲み過ぎない、食べ過ぎないことが重要です。

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奥田昌子(おくだ・まさこ)
内科医、健診医。医学博士。京都大学大学院医学研究科修了。大規模健診センターで20年にわたり、20万人の人間ドッグ・健康診断に従事し、医学文献や医学書の翻訳にもあたる。著書に『欧米人とはこんなに違った 日本人の体質』(講談社ブルーバックス)、『健康診断 その「B判定」は見逃すと怖い』(青春新書インテリジェンス)など。