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【免疫力UP情報】微生物と共存する日本文化②

【免疫力UP情報】
昨今、世間を騒がす新型コロナウイルス。
こちらのコーナーではコロナに負けない身体づくりのための情報を、
過去のむすび誌や正食出版発行書籍から抜粋してご紹介致します。
第1弾は「むすび誌2015年2月号」より「微生物と共存する日本文化(岡部賢二∥作)」の記事です(全2回)。

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化学物質などに汚染される体内の常在菌と土壌

 私たちの腸内には細菌が生息しており、有用菌(善玉菌)が作り出すさまざまな免疫物質によって、人体が守られています。
皮膚にも常在菌の乳酸菌が生息し、皮膚を弱酸性に保つことでバイ菌の侵入を防いでくれているのです。
口の中には口内細菌が棲んでいて、口腔内を弱酸性に保ち、アルカリ腐敗を起こす虫歯菌や感染症を引き起こす菌による繁殖を防いでくれているのです。

 したがって、こうした大事な体の常在菌が食品に含まれる殺菌剤や防腐剤などの化学物質によって弱ってしまうと、
胃腸のトラブルや皮膚炎、虫歯、感染症の増加といった症状を引き起こします。
その対策として、発酵食品の解毒作用を使って体の中の毒素を取り除き、体内微生物のバランスを元に戻すことが必要です。
また、土壌微生物バランスのよい土で作られたビタミンやミネラル豊かな野菜や穀物を食べることも大切です。

しかし今、大地が化学肥料や農薬、除草剤といった石油由来の化学物質で汚染され続けています。
さらに、人間が作り出した公害物質であるダイオキシンやPCB、有機水銀などの環境ホルモンや、PM2.5を含む酸性雨、原発から排出される放射性物質などの汚染物質によって、土壌細菌のバランスが狂い、生命力の低下した農作物が増えています。


微生物が働ける環境を作り大地を浄化しよう

 国立環境研究所の富田典子主任研究員が鬼怒川河川敷から採取した光合成細菌の一種であるロドコッカス・エリスロポリスで、土壌に含まれる放射性物質セシウム13710分の1まで減少させることができたと報告されています。
福島県南相馬市でも光合成細菌を使ったバイオ除染実験が始まっています。
光合成細菌やEM菌を含めた様々な菌を活用することで大地を浄化し、生命力豊かな作物を蘇らせることができれば、人間の生命力をも活性化させることができるはずです。

そのためには、土壌で微生物がうまく働ける環境を作ってあげることが必要で、炭や塩に含まれるにがりなどのミネラルを大地に補給することで効果を上げている農家もあります。
微生物を有効活用することで、お金をかけずに大地の浄化ができます。
自然と共生するためには、人間が壊してきた土壌をまずは浄化することから始めていきましょう。



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岡部賢二(おかべ・けんじ)
大学在学中に渡米し、肥満の多さに驚いて「アメリカ社会とダイエット食品」をテーマに研究。日本の伝統食が最高のダイエット食品と気づいた後、正食と出会う。正食協会講師として活躍後、2003年、福岡県の田舎に移り住み、日本玄米正食研究所を開設。2005年にムスビの会を発足させ、講演や健康指導、プチ断食セミナーやマクロビオティックセミナーを九州各地で開催している。正食協会理事。著書は「マワリテメクル小宇宙~暮らしに活かす陰陽五行」(ムスビの会)、「月のリズムでダイエット」(サンマーク出版)、「心とからだをきれいにするマクロビオティック」(PHP研究所)、「家庭を内部被ばくから守る食事法」(廣済堂出版)、「からだのニオイは食事で消す」(河出書房)、「ぐずる子、さわぐ子は食事で変わる!」(廣済堂出版)

  • 2020年04月24日 10時02分更新
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