ブログ「マクロなポケット」Blog

7/6日本食用塩研究会年次集会in新宿

  連日、本当に暑いですね! ニュースを見ていると、1日に900人もの方が熱中症で 病院に運ばれています。 「水分を充分に摂りましょう」と言われていますが、 脱水症状を起こしそうなときにもうひとつ必要なのは、「塩分」です。 ちなみに暑い中を作業しなければならない工場の休憩所や 食堂には、梅干しが置いてあったり、観光地で人力車を引っ張る お兄さんたちは水と塩を補給しつつ、走り回っていたりします。 さて、今回はそんな人体に欠かせない「塩」について 勉強されている団体「NPO法人日本食用塩研究会」の 年次集会の模様をお伝えします。 706食用塩1.JPG (↑会場となった新宿西口前のスバルビル・レガシィホール。 会場は満席でした。) 昭和46年、「塩業近代化臨時措置法」が施行され、国が指定した 7社だけに、現在で言う「イオン膜・立釜式」という製法でのみ塩作りが 認可されるようになりました。 その製法でできる塩は、塩化ナトリウム純度のとても高いものでした。 しかし、日本で昔からおこなわれていた塩作りで主流だったのは、 塩田で海水を濃縮し、平釜でその濃縮海水を煮詰める、 「天日・平釜法」。 高純度の「イオン膜・立釜式」の塩より、この伝統的な 「天日・平釜法」の塩のほうが、人間の身体に必要なミネラルバランスが 揃っているのでは? という研究目的で、昔ながらの塩作りの 挑戦を開始したのが、「日本食用塩研究会」でした。 そして、この研究活動を牽引していたのが、マクロビオティックを実践する 食養家の先人たちでした。 研究会で提唱している“伝統食育”は、マクロビオティックを 基盤としているということもあり、今回講演の講師として、 正食クッキングスクールの岡田昭子校長と、講師の野口清美先生が 招かれ、講演をおこないました。 706食用塩2.JPG 開会の挨拶をする、日本食用塩研究会理事の寺田牧人氏。 海の精株式会社の社長であり、先日お伝えした大島ツアーにて、 校長先生たち一行に塩の製造工程を解説・案内してくださいました。 706食用塩3.JPG 岡田校長の講演テーマは「正食で育つ、元気な体と明るい心」。 冒頭で、正食協会設立や「健康と平和」(現「むすび」)創刊の エピソードを、「健康と平和」創刊号などを提示しながら話されました。 そして、正食とはどういった考え方のものなのかを説明し、 クッキングスクールに通う方の心身の変化を、 上級クラスの感想文や体験レポートの記述を紹介しながら 述べられました。 スクールに通う前、どういったものを食べていたのか? それは「オカアサンヤスメ」「ハハキトク」といった食べもの。 ※オ=オムライス カ=カレーライス ア=アイスクリーム サン=サンドイッチ ヤ=焼そば ス=スパゲッティ メ=メンチカツ ハ=ハンバーグ ハ=ハムエッグ キ=ギョーザ ト=トースト ク=クリームシチュー 基本的にカタカナで表記される料理です。 それに対し、正食では「まごはやさしい」の、和食を中心とした 食べものを中心にいただきます。 ※ま=豆 ご=ゴマ は(わ)=わかめ(海藻) やさ=野菜 しい=椎茸(乾物) それらの中心にあるのが、お米(穀物)。 その穀物の大事さを、翌日7日が七夕であることを踏まえ、 古事記では「たなばた」が「棚機」: 棚田に機織の道具を入れて豊作を祈るという行事だったことを 例に、語られました。 706食用塩4.JPG 休憩を挟み、後半は野口清美先生の講演です。 706食用塩5.JPG テーマは、現在協会の講座でもおこなわれている、 「マクロビオティックで安心な出産と子育て」。 3人のお子さんをマクロビオティックで育て上げられた経験をもとに、 正食と出会うまでの失敗談、お姑さんとのやり取り、 幼稚園や小学校で認知されるまでのエピソードなどを 軽快なテンポで、ふんだんに盛り込んで話されました。 胎児期に、お母さんが食べたものが胎盤を通って 赤ちゃんに届く。 280日で生物の進化の道をたどる赤ちゃんには、 1日が1000万年間。 お母さん方にはぜひ、「自分の育む生命が、 未来をつくる」という“女性”としての意識を持ってほしい。 そしてそういった食を整えるためにも、 家庭内の秩序を整えることから始めてみては? という提案をされました。 講演後は質疑応答の時間がとられ、寺田理事が参加された皆さんから 集められた質問表を整理しながら、岡田校長、野口先生に 投げかけ、それぞれに回答がなされました。 706食用塩質疑.JPG 「お母さん方の不安な心が赤ちゃんやご家族に伝播することが、 一番のマイナス。ぶれずに、信念を持って歩んでください」と 激励する場面もあり、真剣に皆さん聞き入られていました。 終了時には花束贈呈のサプライズもあり、 最後にはスタッフの皆さん、大島よりはるばる聴講に来られた 海の精大島工場の皆さんと記念写真を撮影しました。 706食用塩記念.JPG ご参加いただいた皆様、寺田理事はじめスタッフの皆さん、 どうも有難うございました。

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Macropocket(正食協会事務局)

JAPAN MACROBIOTIC ASSOCIATION

https://www.macrobiotic.gr.jp/

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  • 2013年07月11日 09時39分更新
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